本日の朝刊で、横浜市の学校給食が、震災後4日間中止となった際の食材費の問題について報道されています。横浜市教育委員会の判断は、震災後、午前授業となった15日から18日の給食は中止、食材の納入は行わないが食材費は全額業者に支払うというものでした。以前に、3人のお子さんを小学校に通わせているお母さんから、計画停電に伴う給食の対応について、「給食費の清算は、物資調達の関係上行いませんので、あらかじめご理解をお願いします」という学校からのお手紙をもらったが、これは中止になった給食の給食費(231.58円/1食当)は返還しないということですかとお尋ねをいただきました。教育委員会に確認したところ、食材の発注変更はできなかった、要綱で自然災害時の対応を定めており給食費は返還しないとのことでした。
給食物資の共同購入事業をおこなっている横浜市学校給食会は、食材の納入業者に対して、配送中止の取扱は「出荷停止」とし、代金はお支払いします、納品書は通常通り受領印をもらって提出してくださいという通知を出しています。
給食会が購入した給食用物資については、納入事業者に代わり学校給食会理事長あての請求書を自らが作成し、その作成手数料を事業者に収めさているわけですから、給食会としても通常通り物資が納品されることで手数料収入を得られます。つまり、できるだけ、出荷調整しようというインセンティブが働かないしくみになっています。しかし、食材費も事務手数料も負担をしているのは保護者です。
ちなみに、横浜市を除く県内自治体の窓口となり、牛乳、パン、米飯などの学校給食の食材を提供している神奈川県学校給食会は、「物資の発注変更及び物資代金の負担について」という規定で発注の変更期限は使用日の4日前までと定めています。しかし、今回の震災後の対応状況を調べてみると、牛乳は前々日までキャンセルOK,パンは前日の朝迄、米飯も前日迄キャンセル対応していました。
神奈川県学校給食会は県から独立しており補助金も入っていない財団です。一方、横浜の学校給食会は市の外郭団体で、教育委員会と一体化した組織。今回の対応は、その立ち位置の違いも現れています。
昨年、不正経理問題でコンプライアンスが問われた県の職員から見れば、業者に実態のない手続きをさせた横浜市給食会というか教育委員会の対応について、「考えられない」というコメントはもっともだと思います。