放射性のストロンチウムを検出、偏りのない対応が必要

横浜市が、放射性のストロンチウムの検出を正式に公表しました。これまで、「ストロンチウムは重いから横浜に飛んでこない」と言われ、福島県以外では放射性ストロンチウムの測定はほとんど行われていませんでした。

今回のストロンチウムの検出・公表は、市民が民間の検査機関の調査結果をもとに市に対しても検査を求めたことがきっかけでしたが、14日のマスコミへのレクチャーの中で、そもそも「セシウムが発生する環境にはストロンチウムが発生する」という市の担当者のコメントを聞き、どこまで対策ができるのだろうかという不安を感じている方も多いのではないでしょうか。神奈川県としても、国に対し福島第一原子力発電所から半径100kmで行っている、ストロンチウム等の調査範囲を拡大することを要望すべきです。

県では、9月補正予算で、放射能測定調査のために、文部科学省の委託を受け県内に新たにモニタリングポストを県内に5基増設するなど体制強化を図るとしました。空間線量は安定しているとされている中、県内で 偏りなく測定を実施し今後に生かす体制を整えることは必要ですが、一方で、各地でミニホットスポットが次々と発見され、除染や清掃も行われています。
横浜市では、落ち葉集めや木の実拾い等の活動を行う場合にあらかじめ活動場所の放射線量を確認した上で実施すべきとし、各区のこども家庭支援課において放射線測定器を貸し出す体制が整えられつつあります。

一部の市では、空間線量について、市民が測定し一定の数値を超えれば、行政としても検体を採取し放射性物質の検査を行うという動きもありますが、その基準が自治体によって異なる状況にあります。例えば、横浜市の場合は、o.59μSv/h、川崎市は0.19μSv/hを基準としており、市境を生活圏としている市民にとっては、矛盾を感ずる場面も生じています。
市町村は、市民の声に押され新たな放射能対策に動いており、国の対応待ちという対策の見直しを迫られる場面が続いています。求められる対策も変化しています。時間の経過とともに明らかにされる放射能リスクを受け止め、県内においても偏りのない対応が図られるよう、広域的な課題に向き合う自治体としての役割を果たしていく必要があります。