医療・防災産業の基盤産業化に向けて

5/21、カジノを考える市民フォーラム第10回講演会で、「医療・防災産業の基盤産業化に向けて」と題し日本総合研究所理事長(JRC)松岡 斉さんにご講演いただきました。

最初に紹介いただいたのが、2020年4月に出された「産業力で医療崩壊を防止する緊急提言」。そのベースになったのが、同月実施した緊急ファクト調査で、『医療現場資機材の大部分は海外からの輸入依存が現状。海外サプライチェーン崩壊の影響を受けず、緊急時にも資機材を安定的に供給できる基盤(仕組み)を構築することが早期課題」であることが明らかになったとされています。

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ニュースなどで目にしたことのあるコンテナを活用した発熱検査センターも、医師会と連携したJRCの安全プロジェクトのプログラムの一つ。クラウドファンディング等、個人が直接投資する機会を創出する個人参加型投資というスタイルもユニークです。

こうした取り組みから、2021年7月には「医療・防災産業創生推進議員連盟」も発足。
そこでは、当然ながらイノベーションのために必要な要素として「DX」や「グリーン」というキーワドが並ぶのですが、一方で、「国民の安全と安定のための産業を創成する」と言った思想を持って、医療・防災、食と農、文化・教育などの分野を基幹産業するような原点回帰の産業基盤強化の重要性にも言及されています。

松岡さんからは、「防災道の駅プロジェクト」と言った地域社会・住民のニーズを捉えた多様で緻密な社会実装をご紹介いただいたのですが、私の目に止まったのは横浜モデル。高機能コンテナを搭載した医療船を軸にした海上防災拠点構想で、山下ふ頭の再開発事業への展開を意識したものでした。まあ、それは一つのアイデアとして。
山下ふ頭の再開発事業については、近々横浜市と市民の意見交換会も開催されるようですが、IR誘致に向けて描いた事業計画を真に白紙として一旦その計画から離れることができるのか?そこがとても重要ではないかと。IRからカジノ事業を抜いただけの計画になってしまうのはあまりにもったいない 。
今年は、関東大震災から100年の節目の年。さらに、私たちはコロナパンデミックも経験したわけで、その上で、医療・防災への備えを進化させるために、ピンチをチャンスに変えなければ。
とかく医療・防災は「お上がやるもの」てな感じになりがちですが、原点回帰で自分の頭で考えるところからという、「当たり前」に気づかされる松岡さんのお話に触発されて、今まさに構想というか空想タイムが延々と・・・。