コロナの時代の試練
4月14日、新たに確認された新型コロナウィルスの感染者が4,312人となり、2回目の緊急事態宣言解除後、最多となったことが報じらました。神奈川県の黒岩知事は、政府に対し「まん延防止等重点措置」の適用を要請する意向だそう。
既に重点措置が適用されている6都府県に加え、愛知、埼玉も適用の検討が進んでいる状況で、新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長は「いわゆる『第4波』と言って差し支えない」との見解を表明していますが、まん延防止等重点措置の実施を決定する立場にある首相は、「大きなうねりにはなっていない」という認識。
権限は責任を伴うものだ
まん延防止等重点措置の発動要件は政令でと規定することとされ、具体的内容は法律の条文にも明記されていないので、「さじ加減」的な政治判断の余地がないとは言えず、首相は「オリンピックの開催に拘ってるからな」みたいな声も聞こえてくる。(首相としても不本意でしょうに)対象区域となった都道府県知事は、営業時間の制限などを要請し、従わない場合に命令もできるし、違反者には過料を課す権限も持っていますが、重点措置を行う十分な科学的根拠は示せるのでしょうか。全国学校一斉休業の時のように「政治判断だ」では済まされないわけで。
損失補償についても不明確なままで、延長を繰り返すようなことになれば実質的に期間制限もないということになります。その影響は計り知れません。(知事の責任も重大)
そもそも、罰則を伴って私権を制限する措置であることを考えると、発動要件は条文に明記されるべきで、その上で、自他を守るために必要な措置として、納得し合意した上でなければ、実施できないはずのものです。もちろん、私たち市民が、どこまで見識を持って他者への配慮をし、社会のありようを考え、仲間を守り、命を守れるかを問われていることでもあります。
政治的意思を持って法制化に取り組んでほしい
今は、第4波を前に感染拡大予防対策に、スタートしたばかりのワクチン接種に手一杯であっても、この波が一段落したら、Goto事業云々ではなく、是非とも法整備に着手してほしいと思います。
先日は、ダイヤモンドプリンセス号で起きた新型コロナウイルスの集団感染を検証する機会を得ました。
現場で求められたのは、「検査→隔離→診断→治療」というサイクルでしたが、検査をやりたくてもキャパが限られているとされ、結果的にクルーズ船に感染者を閉じ込めるという非人道的な状況が続き、この出来事は世界に衝撃を与えました。
その後も、国や自治体の同様の弁明を繰り返し聞いてきましたが、潜在化し蔓延するウイルスに対処するために、また、差別、偏見を生まないためにも、まずは4早体制(早期検査・早期隔離・早期診断・早期治療)が必要であり、その体制整備のための法制化に政治的意思を持って取り組んでほしい。
コロナ禍により、公衆衛生の窓口である保健所がこの20年で半減していたことや、長期にわたる医療抑制政策により、感染病棟の不足、病床不足、人手不足と言った課題が誰の目にも顕になりました。
感染症をコントールしながら、どうエンパワーメントするのか、これらは次の選挙で必ずや問わなければならない政策課題だと思います。