「みんなの保育園」の時代がやってくるぞ

3年ぶりの行動制限のないお盆休み。
Uターンラッシュを伝える映像を観ていると、一瞬コロナ禍を忘れてしまいそうですが、残念ながら私たちの暮らしは未ださまざまな制限の中にあります。
福祉の現場にいる私は、この3年、保育や介護といった人と人が密接に関わる仕事がどうあれば良いのか、悩み、工夫も重ねてきたけれど…。
子育て世代感がじる不安感や孤独感にどれだけ寄り添えてきただろうか。その問いはつきません。

少子化は予想を越えるスピードで進んで、2021年の出生数は81万1604人で過去最少を更新したそう。これはもちろん、コロナ禍の影響だけでなく、なかなか改善されない若い世代の経済状況や雇用環境という問題も大きいのですが。妊産婦の死因の1位が自殺であるとか、子どもの精神的幸福度が、OECD 38か国中37位であるという深刻な実態に向き合うと、何ができるんだろう…と立ちすくみそうになってしまう。

そんな中で、今年6月には、こども基本法が成立。1989年に国連総会で採択された「子どもの権利条約」批准から28年、ようやく日本にも子どもの権利について包括的に定めた法律が誕生しました。
同時に、こども家庭庁設置法も成立、こども政策を担う新組織が創設されました。

組織の名称をめぐって、当初検討されていたこども庁に「家庭」という2文字が加わたことについては、伝統的家族観を重視する自民党保守派に配慮したという報道あり、複雑な思いも持ちますが、こども基本法の目的に書かれた「社会全体としてこども施策に取り組む」という理念を、こども大綱や、自治体のこども計画に具体的な施策として落とし込み実行に移せることを期待して、今後の国や自治体の取り組みに注目しています。

私たちは、現場の人。保育や介護の現場で実践し発想することからしか始められないので、これからも目の前の「困った」に寄り添うことから始める、その姿勢は持ち続けたいと思います。

例えば、ひらすら保育の受け皿づくりをすすめてきた時代はもうすぐ終わる。すべての子育て家庭に開かれた存在へと変わらなければならない。
NPOを立ち上げ「働いていてもいなくても預かる」をミッションとしてかかげたピッピ保育園の開所から17年、理由を問わない預かり=一時保育の拡充のために長きにわたって声をあげてきました。分園として開所した保育園は「ピッピみんなの保育園」と名付け、身近にある保育園や広場が地域の親子支育園のハブとなり、ひらき・繋がる、そんな想いを込めました。
暮らし方や働き方の多様化が進む中で、一時保育の役割や可能性も広く認識されつつあります。また産前産後ヘルパーといったアウトリーチ型=出向いていく親子支援を継続し、必要な人に届けることも重要なミッションです。現場で出会うたくさんの「困った」を乗り越えるための政策提案にも取り組みたい。

せっかくのお盆休みなんで、久しぶりに横浜市子ども子育て会議の資料に目を通してみたら、「横浜市給付認定及び利用調整に関する基準」の一部改正の動きもあり、保育所を「ひらく」方向に進んでいることを確認できました。
たとえば、「出産予定日の前8週」 の規定を撤廃し、妊娠判明後に保護者の希望する日から給付認定を開始」とか、「多胎児の育児休業中の利用 継続の場合は、保育標準時間を選択することを可能とする」とか「医療的ケア児も別途利用調整の対象とすることを明確化する」とか。いいじゃん!横浜市。

そして、そして、「地域型保育事業等の卒園児が、他の施設に進級後に育児休業中の利用継続を希望する場合の対象施設の拡充」という一文も発見。これにより、小規模保育卒園時に保護者が育児休業中であっても連携施設以外へ進級し、育児休業を継続できるようになります。

資料には、「令和3年度末に届いた市民からの広聴をきっかけに」とあるではないか!
ここ数年、全国小規模保育協議会横浜連絡会として横浜市に対して訴え続けてきたことが一つ実を結びそうです。

さあ、これから横浜市会9月議会も始まります。はどんな議論が展開されるのかな。注目したいと思います、