まちづくりの美学と力学

19日、カジノを考える市民フォーラムの第9回講演会を開催、元市政策局長の浜野四郎さんに講演いただきました。

まずは、開港以来の国策の舞台となってきた横浜の歴史、また、自立の布石として取り組んだ六大事業、さらには、その時々の首長の政治姿勢を読み解きながら、横浜のまちづくりを振り返ります。「情熱都市YMM21」の執筆者のお一人でもある浜野さんですから、当然、力を込めて話されたのは、みなとみらい21の先進性でした。

日本における港湾再開発の先駆け
横浜市は、東京一極集中への対策としての業務核都市構想を打ち上げ、様々な公民連携モデルも実践してきました。しかし、何よりも重要なのは都市デザイン=空間の価値を高め市民・企業と共有化することであったことは言うまでもありません。あらためて、港とまちが一体となって存在している横浜の魅力に気づかされます。
六大事業公表から事業化まで雌伏15年、さらに失われた20年を「耐え忍んで」、私たちは現在のみなとみらいの姿を見ることができるわけですが、では、初動期に何をしたのか?先導的な開発は何だったのか?ここに学ぶべき教訓があると言います。

グレート・リセット
今回の講演会は、IR誘致撤回後、急ピッチで進む山下ふ頭再開発問題に端を発して企画したものです。
ポストコロナのニューノーマルが模索される今だからこそ、一元的な価値観で語られる「発展」ではなく、都市が持っている価値やそこに暮らす人々の存在・その暮らしにこそ着目した都市デザインにチャレンジすべきだと思うのです。
先般、市民フォーラムより市長宛質問書書への回答は、残念ながら気で鼻をくくるような内容で、全くもって了承できるものではありませんでした。質問書(回答)

横浜港ハーバーリゾート協会からも市長ならびに副市長あてに、同様の趣旨で要請文が出されている状況ですので、その回答にも注目し必要なアクションを重ねていこう。