幼児教育・保育の大変革期!

10月7日、大豆生田啓友さん(玉川大学・教授)を迎えて、新しい保育イニシアティブ・トークセッションVol.3が開催されました。
この取り組みはポスト待機児童時代を見据えた保育園の役割やミッションを発信していく試みとして企画されています。

乳幼児教育・保育の質が重視される時代が到来!
ポスト待機児童時代の保育の方向性を、「保育の質、共主体=co-agencyの時代へ」と表現された大豆生田先生。これは世界的な動向であり、コロナ禍でその動きはさらに前倒しとなっているよと。

では、保育の質とは何か
厚生労働省の「保育所等における保育の質の確保・向上に関する検討会」において、いろんな側面から保育の質について検討されたことが紹介されましたが、大豆生田流に言うと、保育の質の根幹にあるのはチルドレンファースト。重要なのは子どもを一人の人間としてみる視点、子どもへのリスペクト。

共主体=co-agencyにつながる思想
子ども主体の質の高い保育を提供すると言うことは、一人ひとりの多様性に着目すると言うことでもあり、そこには、家庭、地域が入ってくる。保育園は、子どもを介していろんな大人も関わる場、繋がりの拠点=共主体(co-agency)の拠点であると。加えて「人だけの幸せを考えていたら、人にとっても幸せでない、環境とも共主体であるべき」とも。先生の思想は広く深かった。
一方で、大豆生田さんもご指摘の通り、子どもに関することは、政治的なテーマとしての扱いはまだまだ小さい。しばしば言われる親の子育て力の低下と言われるような状況について、大豆生田さんは「そうではなくて」と、むしろ、子育てを取り巻く社会の変化、子育てしにくい社会状況を指摘されましたが、日々、色々な子ども、家庭に出会う中で、私も同じ想いを持ちます。
制度改革、社会変革にも共主体の発想が必要で、現場の気づきを持って、地域、家庭を巻き込みながら進めよと言うことなのだと思います。私も
保育士がマネジメントに参加すべきだと思うし、そのためにもワーカーズ・コレクティブという働き方は優れていると思います。「ワクワクしながら」やってねとのご提言もガッテンです。

キーワードは一時保育
大豆生田さんのお話で、新しい保育イニシアティブとして提示した4つのコンセプト(*)との共通性も再確認できたのですが、おそらく、コンセプトを提示した駒崎弘樹さんにとって、ここに並んでいることは、本当は「新しいこと」ではなく、まさに実践してきたこと、チャレンジを続けていることに他ならないだろうと思います。そして私にとってのミッションでもあります。

*<4つのコンセプト>
1)自園の子どもだけでなく、地域全ての子どもたちに開かれた存在に
2)限られた子どもだけでなく、誰ひとり取り残さないように
3)地域の中にあるだけでなく、自らコミュニティを生み出す装置に
4)単体で存在するのではなく、ネットワークを形成するハブに

大豆生田さんと駒崎さんのクロストークでは、新しい保育の重要な基盤となり得る事業として一時預かりの可能性についても議論されました。横浜市は先進性を持って一時預かり事業や小規模保育を推進したきた自治体です。待機児童が解消されつつある今、保育所は、保育と子育て支援施策や、通常の保育と一時保育と言った区分を超えて地域のすべての子どもたちに開かれた存在としてその機能を生かすことを考えなければ。
市長も、待機児ゼロとか保留児ゼロとかじゃなくて、新しい保育、考えましょうよ。


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ポスト待機児童時代到来!~あたらしい保育ビジョンを語る~ゲスト:玉川大学 大豆生田啓友先生(2021年10月7日放送)

#新しい保育イニシアティブ