脱炭素・脱原発〜第6次エネルギー基本計画策定に向けて〜
4月25日 、菅政権にとって初めての国政選挙となっ衆参3つの選挙で自民党が全敗、菅首相は「国民の審判を謙虚に受け止め、正すべき点はしっかり正していきたい」とコメントしましたが、何をどう正すのか、相変わらず何も語らない。
注目された広島選挙区の選挙は、公選法違反(買収)罪による河井案里氏の失職に伴う追加選挙なのだし、この際河井氏側に支払われた資金の流れを明白にしてしっかり正すほうがいいに決まっている。
もちろん、それだけではない。間違いなく、大分岐の時代を迎えているのだから。
全敗という情勢が見え始めた頃、首相は議員宿舎に引き籠もっていたとの報道も…。
その姿を想像すると意気揚々と臨んだバイデン米大統領との首脳会談や、「世界の脱炭素のリーダーシップをとっていく」と胸を張ったほんの数日前の記憶も薄れてしまいそうなので、忘れないうちに記しておこう。
野心的な目標
舞台となったのは、バイデン米大統領の呼び掛けで開催された気候変動サミット(4/22~23)。菅首相は、2030年度の温室効果ガスを13年度比で46%削減し、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けると表明したわけですが、実現に向けた具体的な行程は示されていないし、何より気になるのは電源構成です。
昨年10月の政府の「2050 年カーボンニュートラル」宣言以降、自治体の動きも活発になっており、今年2月にはゼロカーボン市区町村協議会がなるものが設立されています。協議会の会長を務めるのは横浜市で、3月29日には環境省に国の2030年温室効果ガス削減目標を少なくとも 45%以上とすることや、2030年時点における再エネ比率を見直し、少なく とも45%以上とすることを求めています。
国に先駆けて「Zero Carbon Yokohama」の実現を宣言し、「国・地方脱炭素実現会議」にも参加している横浜市ですが、横浜市地球温暖化対策実行計画では、2030年度温室効果ガス削減目標が30%(2013年度比)にとどまっている状況で、足元の計画を見直す必要も生じています。
第6次エネルギー基本計画
そこで、注目されるのが2021年度に策定される第6次エネルギー基本計画。6月には計画案を決定する予定とのことですが、既に審議会で示されている素案では、原子力や化石燃料+CCUS/カーボンリサイクルを合わせた割合を30~40%とし、原子力の占める割合は明確には示されていません。(2020年12月公表の「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」も同様の目標)
再生可能エネルギー・脱原発の推進
東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所事故から10年が過ぎ、未だ廃炉の見通しも立たず、汚染水の処理も進んでいません。あらためて、次期エネルギー計画において、脱炭素化の推進と共に、原子力発電所の莫大なリスクに対する解決策として再生可能エネルギー・脱原発の推進を明確にした「挑戦的な目標」を掲げる必要があります。
生活クラブ「未来へつなげる♪エネルギーアクション!」に賛同します。
生活クラブ生活協同組合では、2030年までに再生可能エネルギー電力比率60%以上、2050年100%という高い目標設定を求めて以下の意見を国に提出する運動をすすめています。私も組合員として積極的にアクションに参加します。
◆2030年エネルギー基本計画で再生可能エネルギー電力目標を60%以上、2050年度は100%とすること。
◆巨大なリスクを抱える原子力発電は即刻廃止し、石炭火力発電は段階的に縮小し2050年までに廃止すること。
◆脱炭素社会に向けて、再生可能エネルギー主力電源化の実現にむけた推進と政策転換を早急にすすめること。
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生活クラブ「未来へつなげる♪エネルギーアクション!」