「一斉休校?」〜その先を考える福祉の現場から〜

227日夕刻、安倍首相は、突如32日から全国の小中高校及び特別支援学校の臨時休業を要請すると発表しました。28日、急遽行われた総理の会見でも、決定に至った経緯や法的根拠は明確されないままでした。
卒業式や受験を控えるなかでの唐突な発表に、子どもたちや保護者、教員の皆さんに不安や戸惑いが広がったことは想像にかたくない。一方、厚労省からは、保育所や放課後児童クラブは、「原則として引き続き開所」との方針が示されました。
保育所や学童保育、学齢期のデーサービス事業に関わる現場は「その先」の対策を考えなければなりません。学齢期の子どもを持つワーカーは仕事を続けられるだろうか。長期休暇のように、利用者が増加した場合、学童やデイサービスはどこまで対応できるだろうか。一時保育は継続できるだろうか。などなどと。心配はつきませんが手探りで対応の検討しなくてはなりません。
あくまでも、首相の「全国一斉休校」は、要請なのだから、重要なのはそれを受けて自治体としてどういう方針を持つのかということ。そこに期待をしつつ各自治体の動きを注視していたら、いち早く千葉市長がSNSで見解を発信。「低学年と特別支援学級を中心に、保護者が対応できないケースについて学校で、感染防止に十分配慮した上で預かる方向で検討します。」とした熊谷千葉市長の視点は良いなあ。でも、私も呟くだけではダメなので、事業所として、横浜市に「政府の学校休校要請への対応に関する緊急要望書」(NPO法人ピッピ親子サポートネット)を提出。市の判断を待ちました。

横浜市の判断は、政府の要請を受けて小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、特別支援学校において、臨時休業を行う、しかし、保護者の就業その他家庭での対応が困難な場合、各学校において「緊急受入れ」を実施するというものでした。その対象は、小学校低学年、小学校、中学校個別支援学級(全学年)、特別支援学校(全学部)で、特別支援学校については給食も実施するとされています。
さらに、「校内に「新型コロナウイルス感染症」を発症した児童生徒、教職員、支援員等がいない場合に限り、休業期間中であるか否かに関わらず、感染症対策を十分に行った上で、卒業式を実施します。」という方針も出されました。(神奈川県立の特別支援学校は、「個々の事情に応じて、学校の教育活動とは別に「児童、生徒の居場所」を学校に設けることを検討し、実施する」とのこと。)

これを受けて、明日3月2日から、うちの放課後等デイサービスは、朝10時から開所予定。一時保育も引き続き全施設で受け入れを行っていく予定。

求められるのは想像力や共感力。
混乱の中、何とか対応を図っていますが、前例のない一斉休業の要請に伴い生ずる様々な自治体現場の実態を十分に把握し、自治体の要望も踏まえて政府は責任ある対応を行っていただきたいと思います。

横浜市:新型コロナウイルス感染症対策のための小学校・中学校・高等学校・特別支援学校等の臨時休業について
神奈川県:新型コロナウイルス感染症対策のための小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における一斉臨時休業について