「カジノはいらない」繋がり・広がるアクションを!
連日カジノ、IRに関連する集会やミーティングが続きます。
集会の会場はいずれも満席でした。
IR事業推進予算が提案された日、横浜市会の傍聴席も満席となりました。
明らかに、これまでにないコトが起きている。
もちろん「カジノは横浜だけの問題」ではない。
学習会では、しばしば、IRの成功モデルとして取り上げられるシンガポールの状況について、鳥畑与一教授(静岡大)が、興味深い指摘をされていました。
例えば、観光競争力。
国際観光業の競争力強化を謳いIRを導入したはずのシンガポールの観光競争力が、
2009年の10位から2019年は17位に低下。
ちなみに、日本はこの10年で25位から4位へと順位を上げている。(IRなしで!)
*出典世界経済フォーラム(WEF)「旅行・観光競争力レポート2019」
税収からの検証でもシビアな結果が。
シンガポールでは、ギャンブル税収も減少傾向にあり、歳入全体に占める賭け税の割合が
2011年の4.65%から2017年は3,55%に低下している。
*出典:シンガポール統計年鑑
安倍首相は「観光先進国という新たな国づくりのために日本型IRを実現したい」としています。しかし、カジノの無い日本の方がシンガポールよりも外国人観光客数や消費額の増加割合が大きい。そもそもIRが必要という前提がおかしく無いかと、鳥畑教授は問われました。
カジノの営業区域の床面積はIRの建物床面積の「3%を超えない」こととされています。だから「IRをカジノと呼ぶな」という主張もあります。しかし、海外のIR事業においては収益の8~9割をカジノ収益が占めるという実態もあります。
林文子横浜市長も、市議会の質疑で「カジノ抜きのIRを検討する考えはないのか」と問われ、「カジノなしでは大規模なIRは運営的に難しい」と答弁。
やはり、収益構造から見れば限りなくIR=カジノなのだ。
カニバリゼーション=共食い、つまり、人が人を食って成り立つカジノ。
ゼロサムゲームでしかないカジノ。斜陽産業となりつつあるカジノ。
規模を拡大するか、新たなカジノを設置することで収益(税収)維持するカジノ。まさに焼畑農業的なカジノ収益。
カジノに対して直感的に拒否感を覚えていた人も、IRの収益構造やその限界を知れば、やはり日本のどこにもカジノを誘致すべきではないという解にたどり着くのではないでしょうか。
9月14日の集会には、沖縄から糸数慶子前参議院議員も駆けつけてくださいました。
沖縄では、1972年の本土復帰直後から、カジノ誘致の動きがあったと言います。幾度も浮上したカジノ導入案を、労働団体や女性団体の連帯で押し返してきた運動の歴史を聞きました。「女性たちよ手をつなごう集会」に相応しい糸数さんのメッセージでした。
林文子横浜市長は、少子高齢化社会への強い危機感とともに、IR増収効果への期待を語っていますが、この発想はどうでしょう。賭博の上がりをあてにした行財政運営は、未来に誇れるものですか。すでに1980年代には、少子高齢社会への警鐘は鳴らされ、人口減少時代に向けた自治体運営に知恵を絞り、真摯に向き合ってきたのではないですか。
カジノは、「民設・民営・民益」事業。運営事業者が、横浜の将来のために責任を持つとは思えません。その責任を負っているわけでもありません。不採算で事業者が撤退する場合には、自治体が損失補償を行う仕組みだと言います。
施設建設などに係る投資の直接効果も当然ならが持続性を持ってもたらされるものでもありません。
市長には、目を冷ましてもらいたい。国家プロジェクトであっても、市民のためにならないことはやるべきではない。自治体の長は市民のためのリーダーなのだから。
さて、今週もIRに関するヒアリングや集会が続きます。
20日には横浜市会で、IR推進事業を含む補正予算案の採決もあります。
様々なアクションをつなぐラウンドテーブルの呼びかけもあります。
明日からも繋がり・広がるアクションを!