辺野古移設の是非を問う県民投票結果を受けて
米軍普天間基地の辺野古移設の是非を問う沖縄県における県民投票は、移設に「反対」が72.2%で、投票資格者の4分の1を超えるという結果となりました。
政府は、昨年の県知事選挙に続いて示された、市民の「辺野古への基地移設に反対」の意思を重く受け止めなければなりません。「沖縄県民に寄り添う」などの言葉とは裏腹に、民意に反して新基地建設を強行する状況は、まさに分権、自治、立憲民主主義の危機です。
また、埋め立て区域の軟弱地盤が最深90メートルに及ぶことも明らかになりましたが、防衛省は「地盤に係る設計・施工の検討結果報告書」の内容について、詳細を明らかにしておらず、その姿勢も不誠実と言わざるを得ません。
まずは安全保障環境の変化や海兵隊の役割等を考慮し、一端工事を中断して、米国政府との再交渉を行うべきです。
辺野古への基地移設をめぐっては、一昨年、地方自治法施行70年という節目に講演された辻山幸宣さんのお話が思い出されます。
故翁長雄志前沖縄県知事は、公有水面埋立法にもとづく知事の権限を盾に国と争い敗訴しましたが、辻山さんは、「自治体の事務執行システムそのものを取り上げ攻めている全国の自治体に向けた訴訟で「沖縄問題」じゃない。我がごとである」と指摘されたのです。
国と自治体が対等な関係を築くために、地方政治に関わってきた立場からも、あらためてボトムアップの政治の力を高めていくことに努力したいと思います。