あらためて考える「地域福祉計画」〜人と人、地域のつながりをつくる〜

 1日、くらしてらすで開催された公益財団法人 かながわ生き活き市民基金・横浜北生活クラブ生活協同組合理事会共催のフォーラムに参加しました。「人と人、地域のつながりをつくる」をテーマに法政大学法学部 名和田是彦教授より基調講演があり、続いて、地域のNPOから専門性を活かした地域福祉事業や、地域貢献の事例も報告され、ひらかれた地域社会づくりに向けた多くの提言がありました。

名和田先生が強調されたのは、「公共空間と顔の見える関係の再建」。そのツールとしてコミュニティカフェの実践例が紹介されました。名和田先生ご自身も、コミュニティカフェの活動に参加され、「不特定多数の人に向かって完全にオープンである」、「気軽な交流から地域の動きが生まれる」、「場所があることがアイディアにつながる」と言った、活動の意義をお話くださいました。YCCN (横浜コミュニティカフェネットワーク)の調べによると、市内には65のコミュニティカフェがあるそう。最低賃金をクリアする唯一のカフェのおしゃれな取り組みも聞かれましたが、総じて採算を取るのは難しそう。
 そこでとばかりに、介護保険の総合事業の通所Bを活用するという考え方も紹介されましたが、これには「いいね」とは言えないわけです。
 名和田先生は、講演の冒頭で地域福祉計画の意義を述べられた際に「横浜は地域福祉計画に熱心に取り組み、地域福祉計画を通じでコニュティ政策に開眼し、都市内分権、地域自治システムづくりにつながってきた」と評価されました。
 私も、地域福祉計画の重要性は理解します。また、コミュニティカフェのような取り組みこそ地域福祉計画に位置付けられても良いだろうにと思います。もちろん、住民の合意を得て。
 その上で地域福祉計画を考えた時に、これまで、地域福祉計画はどのように進行されてきたのか、その進行管理は適切だったのか、何を持って計画が達成されたと判断するのか、計画を進行させるための予算の確保はどのように考えるのか、そもそも計画策定は現行のプロセスで良いのかといった検証も必要になるのではないでしょうか。
 今日は、名和田先生のお話を聴き、新たな課題認識を持つこともできました。また、地域で活動する皆さんと、新たな連携の可能性、「これから」を感じることもできました。何よりも、名和田先生が「やって見せて、民主的多数派も受け入れ政策化されるプロセスが大事」というお話は、実践から制度づくりを目ざす活動に重なるものでした。公共思想のルールや人権思想の基盤も意識しながら、「ひらき・つながる」活動を広げていきたいと思います。

多世代の居場所「街の家族」、オルタナティブスクールの『横浜みどりの学校「ひまわり」』、ひきこもり当事者会「引き桜」、そして、ピッピ親子サポートネットからも活動報告。