衆議院選挙が終わるや否や「社会保障費の抑制」に向けた改革案が出された

衆議院選挙が終わるや否や、財務省は、財政制度等審議会の分科会で、あらためて社会保障費の抑制に向けて改革案を提示、今後、厚生労働省などと調整を進めるとされました。選挙を前に安倍首相は、「消費税率の10%引き上げに伴う増収分の使い道について問いたい」 としていましたが、選挙戦においてそうした議論は深まらないままでした。
審議会の改革案を見ると、介護の分野では、報酬をマイナス改定することや、訪問介護の1日当たり報酬に上限を設定すること、一部通所介護の基本報酬の減算案などが出されています。
そんな中で、28日には、生活クラブ運動グループ横浜西部ユニットの学習会「どうなるの、私たちの介護保険」が開催されました。学習会では、これまでの制度改定を振返るとともに、財政制度審議会の議論にも着目しました。
急速に進む高齢社会を前に介護保険制度は給付の抑制と報酬引き下げを繰り返し、今や地域の助け合いで乗り切れ!という掛け声が響いていますが、そのかけ声に応えられない状況も見えています。
すでに、2015年度からは、要支援1・2の人に対する訪問介護・通所介護が給付からはずれ、市町村の地域支援事業(総合事業)へ移行しています。総合事業では、従来より基準を 緩和したサービスや、住民主体による支援も実施できることになっていますが、総合事業を実施している事業所においては、ほとんどが移行前の訪問介護・通所介護相当のサービスの実施にとどまっていると報告されています。(財政制度分科会資料)


まもなく第7期横浜市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画素案へのパブリックコメントも始まります。素案では、共生社会づくりへの「メッセージ」が強く打ち出されるものと思われます。
私は、自治体における「制度の多様性」は否定しませんが、NPOやW.Coが地域福祉の領域で行って来た活動と、社会保障の制度としての議論は別ものと考えています。本来、地域福祉計画に基づく取組みとして、独自を発揮すべきところではないでしょうか。
11月17日(金)には、生活クラブ運動グループが参加する実行員会主催の介護の日フォーラム「介護保険、必要な時に、必要な人へ」が開催されます。ここで、現場の事例にもとづき、QOLの維持・向上に資する在宅サービスの重要性について報告される予定です。先ずは現場から声をあげ続けたいと思います。
介護の日フォーラム2017チラシのサムネイル