未来をつくる『生活クラブでんきの共同購入』

3月26日、生活クラブエナジー代表取締役、半沢彰浩さんを講師に迎えて、「未来をつくる『生活クラブでんきの共同購入』」というテーマで学習会を開催しました。
日本国内の自然エネルギーによる設備容量は、RPS 法やFIT 法の導入にともなって間増加を続け、2015年度末で4,400万kwとなっています。2015年度の自然エネルギー発電量比率は14.5%、しかし、大規模水力(ダム)を除くとその比率は7%に下がってしまいます。
地球温暖化対策の新たな国際ルール「パリ協定」が異例の速さで発効するなど、世界が化石燃料依存からの脱却を目指す中、あらためて「脱原発、エネルギー自給、CO2削減」を掲げる生活クラブ総合エネルギー政策に注目しました。

生活クラブエナジーの自然エネルギー電力調達先発電所は37箇所、14メガワットという規模。生活クラブの事業所などの太陽光や、生活クラブ自前の太陽光(栃木、群馬)や風力(厚田、にかほ)など、自然エネルギー発電所の電気を調整した電気です。当面は自然エネルギー比率30~60%ですが、将来的には、自然エネルギ100%で、生産者、産地で発電した自然エネルギー電気の供給をめざしています。
オプションメニューとして用意された「生活クラブ自然エネルギー基金」は、
毎月の電気料金の5%を、電気料金と合わせて寄付する仕組みです。省エネをすすめ5%分の電気料金を削減することが目標で、基金は、自然エネルギーや省エネの推進のための資金として活用されます。多くの新電力会社が「電気料金の安さ」を競っている中、生活クラブエナジー契約者の35%が基金付きメニューを選択しているそう。
学習会では、あらためて節電の効果と重要性も確認。市民参加による節電・発電所(ネットワーク)や屋根友ネット(数軒の家の屋根で発電した電気を合わせて売電)、相乗りくんのようなスキームを地域で展開する「青葉電力、市が尾電力」を立ち上げてみては?などという夢が広がるお話も聞けました。
まだまだ市民の発電力は小さいけれど、“電気の共同購入”の取り組みにより、多様な角度から豊かな発想が生みだされています。こうした地域の動きを後押しする飯田市や宝塚市、八丈町などの自治体条例も紹介されました。神奈川県でも、生活クラブ生協をはじめとした生活協同組合や農業共同組合の皆さんの提案を受け、2013年「神奈川県再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例」が制定されています。条例に基づき開催される「かながわスマートエネルギー計画協議会」では、いかに市民にアプローチし、運動化していくかということも議論されています。
学習会参加者の皆さんには、エネシフステッカーやバッジもたくさんお持ち帰りいただきました。これからエネシフ見える化アクションもガンガン進めて行きます。
支払った電気料金が“アラブの王様に行くのか?地域で循環するのか?と尋ねられれば、もちろん「地域で」ですから。