議員を職業化・特権化しない〜市議会議員の属性に関する調(しらべ)から考える
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スクリーンショット 2017-03-17 12.54.33全国市議会議長会が発行している「全国市議会旬報」という刊行物があります。月に2〜3回発行されており、市議時代は、控え室の机の上に配布されてたと記憶しています。インターネットからアクセスすることもできます。でも、市議会旬報と言われて、「あれね!」「読んでます」などという人はほとんどいないのではないかと思います。神奈川ネット議員年金アクションチームメンバーは、この旬報のあるデータに着目しました。
市議会旬報2002•3号(2017年2月15日発行)に、”市議会議員の属性に関する調(しらべ)“が掲載されています。2016年7月に全国市議会議長会からの依頼で、全国813市区を対象に実施したオンライン調査(「全国市議会議員現況調査」)の結果を経年変化も含めてまとめたもので、議員の年齢や在職年数、専業割合などが示されています。ちなみに、議員の専業率は42,3%。しかし、神奈川ネットの議員は、専業・兼業状況について、何ら聞き取りを受けておらず、調査を実施したことや、その結果についても知らされていないと言います。一体どのような方法で議員の現況を把握したのでしょうか。
厚生年金への加入を求める地方議員からは、議員の専業化が進んでいることや議員のなり手を増やすためという理由があげられています。仮に、こうしたデータが議員の厚生年金加入への根拠とされるのであれば、データの根拠となる調査方法について精査しなければなりません。そこで、県内13自治体の議会局に聞き取り調査を実施しました。

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除法紙ネット こちらから


各市の回答から、専業か兼業かについて、各議会事務局が選挙時や当選後の届け出から回答しているケースが多数であることがわかりました。そうなると、数年が経過したデータを元に回答していることになり、調査結果の数字の精度に疑問が残ります。また、調査に回答していることを議員に周知している議会はゼロ、職業の専業・兼業に関して一部聞取りを行ったのは2市でした。議員へは、「旬報で周知している」という自治体も複数ありましたが、旬報の発行者はあくまでも議長会。
各自治体の議会局に議長会への回答内容の公開を求めたところ、オンライン調査に回答したためデータが残っていないので公開できないとした自治体も複数ありました。(情報紙ネットでご報告しています)
選挙時のデータは選挙管理委員会で管理されるものと思いますが、異なる部署で、異なる使用目的で情報を活用することについてどのような手続きがなされたのか、今後、もう少し詳細に調査してみたいと思います。