参議院選挙を終えて
参議院選挙が終わりました。
神奈川ネットが共に戦った大河原まさこさん(比例代表)は、71,398票で、残念ながら議席に届きませんでした。
細かな分析はこれからですが、選挙を通じて感じていたことを記しておきたいと思います。
今回、市民運動の中には改憲への強い懸念があり、新たなアクションも展開されていましたが、改憲勢力と言われる側からも具体的な提起はなされず、それぞれの政党の改憲スタンスには違いもあり、議論を深めることは困難な状況だったと思います。
私は「3分の2」問題を最大公約数として共闘する野党の戦略にも共感できないと表明し、さまざまな意見もいただきました。「憲法が脅かされている、今、平和や自由、民主主義が脅かされている、今回ばかりは…」という主張に「そうだ!」と拳をあげられませんでした。
ギリギリの生活をしている人がいて、育つ権利,学ぶ権利を保障されない子どもたちがいて、働いても働いても豊かになれない若者もいる、ずっと見過ごされ続けている課題がたくさんある。目の前に不安を抱えている人に「3分の2」問題は響いたのだろうか。アベノミクスの成果や1億総活躍社会の実現という政権が掲げた、絵空事のような政策争点に、野党は「働き・暮らし」という視点からもっともっと切り込めたんじゃないだろうか。
今回の選挙では、沖縄と福島で現職閣僚が落選し、青森・岩手・宮城・山形では野党候補が競り勝ちました。また、同日実施された鹿児島県知事選で川内原発の稼働停止を公約に掲げた野党候補が当選。これらは、基地問題やTPP、原発といった地域のイシューが影響し、暮らしを守るための政治が強く求められた結果でもあると思います。
政治を自分ごととして語ることができたのか、私たちも、今一度捉え直したい。
地べたを這うような日々の実践があって、そういう人たちの力で「それって政治だよ」のメッセージが生きた言葉になる。今後、憲法審査会で議論が再開することになりますが、政治への参加こそがそこに対峙する力になると思う。地域から平和や人権が根づく社会を創る努力をする、そういう人たちと一緒に進んでいきたい。変えるために必要なことは変わらず歩き続けること。頑張ろう。