足元から電力自由化を考えよう

IMG_2409 21日、あざみ野スペースナナで、久しぶりに山崎求博さん(足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ)のお話を聞く機会がありました。今年4月からの電力小売全面自由化を前に料金競争が過熱しています。でも「ちょっと待って!」というお話です。私も「電気の中身を知った上で小売電気事業者を選びたいよね」と思っている一人。関心を持って参加しました。
電力会社に支払われる電気料金は年間14兆円に上ると言います。このお金が発電設備や人件費に使われ、原発や石炭火力発電の増設につながっています。山崎さんは「市民・消費者はエネルギーを選べないし、家計や地域経済に負担を与えている。」と指摘されています。「東京電力の販売電力量のうち、自由化部門(工場やビルなど)の大口需要が6割を占めているにもかかわらず、営業利益の9割は「規制部門」(家庭等)から得るといういびつな収益構造がある。」とも。こんな話を聞くと、電力会社が独占している市場に風穴を開けたいという思いになります。
消費者にとっては、電源構成の情報が開示されない限り、どこで、どのように作られた電気かわかリません。新たに参入する電力会社の中にも東京電力から供給された電力を小売するという事業者もあります。また、契約期間が年単位で、中途解約に違約金を課すメニューもあり、料金体系が大きく変動する可能性もあるとのこと。「意気地なし」などと急かされるようなCMも流れていますが、慌てず吟味していくことが必要とのアドバイスもありました。
さて、足温ネットは来年設立20周年を迎えられるそう。先駆的だった市民発電所の取組み。(1999年)地域通貨付き市民版グリーン電力証書や、省エネ家電買い替えサポート事業と、次々に事業化されてきました。足温ネットには実践も運動もあって、頭でっかちになりがちな時にも「やっぱり足元からだよね」と頭のネジを巻き戻してくれる。身近な議会も上手に使いこなしておられる様子。また情報交換させてもらいたいです。
たまプラーザぶんぶん電力梅原昭子さんによるエネルギー診断ワークショップも

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