原子力に頼らないエネルギー政策への転換をめざして

 8月11日川内原発1号機が再稼働し、14日には発電と送電が開始されました。川内原発は、2013年に策定された新規制基準の下で初の再稼働となります。
 しかし、福島第一原子力発電所の事故も収束しておらず、原子力発電で発生した使用済み燃料を安全に処理する技術もありません。原子力規制委員会田中俊一委員長は、繰り返し「規制基準に適合=安全を保障するものではない」と発言。巨大噴火対策や災害時避難計画等の対策の不十分さも指摘されてきたところです。私は、このような状況下で再稼働すべきではないと考えます。

 東日本大震災後、私たちは「安全・健康・環境」を優先した社会をめざし地域で取り組めることを模索してきました。まず、経済性に優れた省エネ施策「電気をカエル計画」(照明・空調機の高効率機への更新)を進めてきましたが、この4年間で一定程度の成果があったと捉えています。東日本大震災後の電力需要は、10%前後の抑制が継続しており電力逼迫も起こっていません。 
  もう一つの運動は、身近なエネルギーを有効活用する取組みで、MINI太陽光パネル作成ワークショップや市民発電所の立ち上げに向けた運動です。2012年7月に全量固定価格買取制度(FIT)がスタートして以来、市民や地域主導の発電事業も広がってきました。生協陣営の新電力事業への参入も相次ぐ中、2014年10月には (株)生活クラブエナジーが設立され、2016年度から組合員への電力供給ができるよう準備を進めるとしています。
私も組合員として期待しています。
 生活クラブエナジーの挑戦は、エネルギー自給圏を実体化し、脱原発・地域分散型エネルギーへの転換モデルとして大きな意味を持つと考えます。今後も、原子力に頼らないエネルギー政策への転換にむけて連携を進め、市民社会からの政策提案に繋げていきたいと思います。