コミュニティバンクの役割

 20日、女性・市民コミュニティバンク(WCC)の総会が開催され、私も会員として出席しました。
 WCCは、市民資金を結集し融資を行う事で地域福祉や環境保全など様々な市民事業や女性のエンパワーメントを推進しています。1998年からこれまでの貸付け件数は174件(団地121件、個人53件)、貸付金額は588,365,000円にのぼり、「意思あるおカネ」が生かされ地域で循環してきました。

 しかし一方で、年度別の融資実績は減少傾向にあるようです。NPOが先駆的に取り組んだ福祉事業が制度化され、公的資金を得て事業をスタートできる環境も少しずつ整ってきたといった背景もあるでしょう。民間企業からもさまざまな形で資金援助が行われるようになってきました。NPO法改正より、寄付に伴う税制優遇も大幅に拡充されていますし、クラウドファンディングなど新しい寄付の手法の活用も進んでいます。こういった状況を踏まえれば、コミュニティバンクの役割も時代とともに変化しているのだと思います。

 生活困窮者や貧困の拡大が社会問題化するなか、向田映子理事長は、韓国のマイクロファイナンス(小額融資・投資)、社会的金融機関の調査に参加されたそうです。また、生活クラブ運動グループと連携し市民金融という視点から困窮者の自立をサポートするための動きも模索されているそうです。
その時々の地域社会や人々の課題と向き合ったソーシャルファイナンスとしての役割を発揮しようという動きに、私も共感します。とりわけ、生活困窮者の社会的自立に向けて、今後も政策連携を進めていきたいと思います。