「ネパールプログラム・幸せ分かち合いムーブメント」を学ぶ
7日、「NPO法人地球の木」の丸谷士都子理事長を迎え「地球の木ネパールプログラム・幸せ分かち合いムーブメント」についてお話を伺いました。
地球の木とネパールとのつながりは、90年代にネパールから来日されたニルマラさんとの出会いに始まります。ニルマラさんを通じ、1997年にネパールでの識字教室がスタートして以来、さまざまな分かち合いが進められてきました。今回は、ニルマラさんの教え子でもあったネパールからの留学生リタ・パタさんもスピーカーとしておいで下さり、ネパールの現状をお話くださいました。
多様な地形を有し、93の言語を持つ多様な民族が暮らすネパール。地球の木は、少数民族が多く暮らす山あいの村、カブレ郡マンガルタール村のシュリ・マンガル・ジャナ・ビジャヤ高校を拠点に、「村の開発は最初から村の人たちで」というスタンスで、村人たちが地域社会に参加し決定に関わることができる仕組みを作られてきました。
奨学金の支給、図書館の建設および教科書の貸し出し、教員のためのトレーニングなど教育に関するプログラムの他、 年間5000ルピー(約6000円)を種や飼料の購入費用として貸し出す収入創出プログラム、植林を通じた 環境意識向上プログラム、さらには、 生活改善のための協同組合づくりのサポートも行われてきました。
ネパールでは、王制が廃止され連邦民主共和制に移行し7年が過ぎても、政党間の合意形成が進まず、未だに憲法が制定できない状況です。(政党の数も100を超えるそうです。)また、国内で仕事を得る事が難しいため、出稼ぎや留学で多くの若者が海外に流出している状況です。リタさんも留学生の一人ですが、日本への移住者も急激に増加しているとのことでした。
そんな中、発生したネパールの巨大地震。支援先が大規模災害に見舞われるという事態は、地球の木にとっても初めてのことで、直ちに緊急支援を決定、住民参加の基本を重視しながら復興支援の取組みが始まっています。地震から7日目の5月2日には、テント(防水シート)の配布も始まり、医薬品も届けられ、今後必要な支援について、村人たちから意見を聞く様子も伝えられました。
ネパール政府は、ワンウィンドポリシーを掲げ、NGOが勝手に支援に入るのではなく政府がコーディネートし平等な支援を行うべきという方針も打ち出したようです。確かにバランスも大事です。一方で、NGOがこれまでの活動と繋がりを生かし、地域の状況を把握し求められる支援をおこなうこと、そしてその活動を可視化する努力が行われているのであれば、有効な支援となるのではないかと思います。
6月末には、丸谷さんもネパール現地を訪問され、7月11日には報告会も予定されています。今後も、顔の見える関係性を大事に、心を寄せ私たちにできる事を考えていきたいと思います。