「小規模保育」の出番でしょう〜横浜市の待機児童対策から〜

30日、「平成27年4月1日現在の保育所等利用待機児童数について 」記者発表されました。例年より随分早い発表でした。良いことだと思います。
待機児童数の定義に則り、今年4月1日の待機児童数は8人と計算されています。
この数字はさておき、ここでは、この間、私が地域で取組み、もっと進めましょう!と提案させていただいてきた「小規模保育事業」に着目し、記者発表資料を読み込んでみたいと思います。
まずは、さっくり待機児童等の状況です。
就学前児童数は、187,595 人前年より 945人減少
保育所等利用申請者数は 57,526 人で前年より4,594人増加
そのうち保育所に入所できたのは54,992 人(前年より4,444 人増加)
そして、残りの2,534 人が保育所を利用できない状況にあります。こういった子どもたちを「保留児童」と表現しています。ちなみに保留児童数は、2013年4月1746人、2014年4月2,384人と増加を続けています。

2015年4月現在の保留児童となった2,534人のうち0〜2歳が2.332人92%を占めています。また、港北区、神奈川区、鶴見区の北部3区 の保留児童は1,051人で、保留児童の41,5%にのぼります。
市の「保育ニーズや人口動態の地域差が顕著になってきており、特に就学前児童数が増え、保育所整備が必要な地域において、活用できる用地の確保が難しくなっています 」との分析もうなずけます。

ここはやっぱり、0〜2歳児を対象とし、用地や物件の確保も比較的容易でスピーディーに整備することが可能な小規模保育の出番。
横浜市も待機児童解消に向けた低年齢児対策として、小規模保育の推進を掲げており、今年4月時点で新規整備32か所 516人 、家庭的保育事業、横浜保育室などからの移行と合わせて86か所 1,213人 の定員を確保したとしています。課題とされている3歳児以上の子どもの預け先についても、幼稚園預かり保育で新たに 14 園 320 人の受入枠を拡大するなど小規模保育事業との積極的な連携を図る施策が打ち出されています。

その他にも、横浜市の独自の取組みとして
・賃借料の4分の3補助(月額 上限225,000円)
・4〜6月の空き定員分へのスタッフ確保補助
・事務経費加算(システム化経費助成)月額30,000円
など、都市部で展開され、また、流動性の高い状況にある小規模保育事業の特性を踏まえた上乗せ補助が盛り込まれています。この姿勢は高く評価したいと思います。

横浜市では、希望する保育所に入所できない子ども、多くの保留児童がいるなかで、272 園(1,947 人)で定員割れも報告されています。新設保育所の4・5歳児枠については、開所後2年間は、定員割れの算定から除かれているので、実際はもっと多くの定員割れが生じているはずです。横浜市一般会計予算の総額は1兆4954億6,500万円で、待機児童対策予算は174億1,00万円、保育所等運営費予算が920億8100万円でこれらの予算を合わせると1,000億円を越え、一般会計の7,3%を占める状況です。
大切な財源を有効かつ効果的に使っていくために、今後も小規模保育事業への積極的な取組みに期待し提案を続けます。