地域福祉の実践から考える災害時要援護者対策
19日、ユニット神奈川主催の災害時の要援護者対策についての学習会に参加し、神奈川ネットの防災pJの報告をさせて頂きました。
阪神淡路大震災から20年が過ぎ、あらためて震災の経験や教訓を伝え、地震や災害に備えることの重要性が報じられています。東日本大震災でも、多くの高齢者や障がい者が命を落とされました。また、過去に起きた数々の自然災害でも犠牲者の多くを高齢者や障がい者が占めていました。2005年には高齢者や障がい者等を「災害時要援者」と位置づけ避難支援ガイドラインや避難支援プランを策定するなどの取組みも始まりましたが、実態として、誰が誰をどのように支援するのかといった個別支援計画の策定が進まない状況があります。
横浜市においても、個別支援プランの作成の手順および支援プランの「ひな型」が示されているものの支援対象者のうち介護認定者や障害手帳取得者などリスト化されている人以外の要援護者の把握については、各区の自主性に任せており、例えば難病患者や乳幼児などについて、市として実態を把握することが難しい事が解りました。各区への聞き取りでは、事業推進のために助成金を出している例もありましたが、区づくり推進費を活用した取組みであったため継続性が担保されないという課題も聞かれました。
2013年2月には横浜市震災対策条例を改正、これまの手上げ方式や同意方式等から一歩進め要援護者からの拒否の意思表示がない限り、地域に行政が保有する要援護者の個人情報(名簿)を提供する情報共有方式も可能としました。しかし、名簿の提供を受けどう支援計画に繋げるかといった具体の取組みは今後の課題となっています。
参加された食事サービスや家事介護ワーカーズからは、日常的に地域の交流を密にすることが重要であり、地域ケアプラザ等も活用した交流や情報交換を重ねていきたいとの意見も頂きました。横浜市としても特定の福祉事業者だけでなく体制を整えている事業者全てと協定を締結し、多様な角度から支援体制づくりを行う必要があり、今後もケアプラザや区への働きかけを行って行くことを確認しました。