縮小社会における水道事業のあり方〜決算特別委員会〜

 県議会では決算特別委員会の審査が続いています。県議全員が4年に一度は決算委員として審査を行うことになっており、私は4年の任期で初めて決算委員として審査に臨んでいます。21日には企業庁の水道事業について質疑を行いました。

 この間、企業庁の水道事業においては、給水人口および給水戸数が増加する一方で、給水量が減少するという傾向が続いています。2011年度も、給水量が前年度に比べ149万立方メートル減少し、営業収益の大半を占める給水収益は前年度より4億1,476万余円減少しました。水道施設の稼働率は63.4%(企業庁81.7% 企業団53.7%)でした。

 2013年度に策定された新たな経営方針にもとづく水道事業の五カ年計画「神奈川県営水道事業経営計画」においては、水需要の減少に対応した施設のダウンサイジングや統廃合など施設の再構築を含めた経営計画の見直しについて言及されており、『現在の279万人が30年後には240万人を下回ると想定し1日最大総水量は現在の106万立方メートルから95万立方メートルになると予測されます』としています。

 営業費用を見ると、2013年度決算では、事業費用約510億円の約3割が受水費(*神奈川県内広域水道企業団に払っている浄化された水を購入する費用)で占められています。受水費については、先日は、川崎市に対して住民監査請求が出され「自己水源よりも単価の高い企業団の水を購入するのはやめるべき」といった主張もなされています。
  企業庁の年間給水量のうち企業団の供給水量の割合は55%とのことですが、水需要の減少と将来的な給水人口の減少により給水収益が減少していく中で、より生産単価の低い水源の給水比率を高めていくことを考える必要はありそうです。しかし、県民の目に触れることの無い県企業庁と企業団との協定にもとづく受水費の考え方は決して解りやすいものでありません。まず、どういう選択が望ましいのか県民にわかりやすく説明するとともに、企業団に対しても経営努力を重ね構成団体の受水費負担の軽減に反映できるよう働きかけていくべきです。あわせて企業団を含めた県内の他水道事業と連携し水道システムの再構築を図っていくために、2010年度にまとめられた神奈川県内水道事業検討委員会による提言についても、東日本大震災後に見直された経営計画も踏まえた新たな検討が求められます。