団地活性化モデル事業「コンチュラート相武台」を視察

神奈川ネット地域福祉プロジェクトで、神奈川県住宅供給公社が進める団地活性化モデル事業「コンチュラート相武台」を視察しました。
1960年代に開発された相武台団地(相模原市南区/2528戸)の高齢化率は30%を越え、相模原市内で最も高齢化が進んでおり、急増する高齢者に対応と団地の若返りの両立が課題となっています。

コンチュラート相武台は、神奈川県住生活基本計画・神奈川県高齢者居住安定確保計画にも位置付けられており、高齢者住宅、介護・看護・医療サービスに加え、子育て支援サービスの展開も視野に入れた高齢者・子育て支援の複合施設です。
現在約7割の居室が契約済・予定、および斡旋中とのことですが、申込者のうち約3割が団地内にお住まいの方でその他も市内、近隣の方が多くを占めています。申込者の年齢別割合は、80代が53,3%,70代が26,7%で、身体状況割合は、自立が42,2%,要支援1,2が20,0%、要介護1が13,3%,要介護2が11,1%,要介護3が8,8%となっており、比較的介護度の軽い方たちで占められています。入居者は介護保険サービスの他、常駐の生活支援スタッフによる独自サービス(15分500円)も利用でき、共同生活が営める限り、看取りまでの住まいの提供が可能とのことです。

すでに、コンチュラート相武台内で地域包括支援センターの出張相談もスタートしており、相模原市との連携体制も模索されているとのこと。また、スタッフの多くが団地内にお住まいの方で、雇用の創出効果も確認されているといった事業の効果も伺いました。

プロジェクトの目的である「住み替え支援」「団地コミュニティの活性化」の効果について、さらには、サービス付き高齢者向け住宅が終の住処になり得るのかといった点については、今後の検証を待ちたいと思います。
 

 

 

*  「コンチュラート相武台」施設概要
サービス付き高齢者向け住宅62戸、居宅介護支援事業所、訪問介護事業所、通所介護事業所、訪問看護事業所、在宅療養支援診療所、子育て支援施設、地域交流スペース
土地・建物は公社が所有し、施設運営は民間事業者が担う共同運営方式

*  神奈川県におけるサービス付き高齢者向け住宅登録状況 10月31日現在:160棟6106戸