「一時預かり事業」あらゆる保育・子育て支援の場で実施したい!

横浜市が取組む「乳幼児一時預かり事業」(地域密着II型)について、20日の毎日新聞で紹介されています。NPO法人あい・ぽーとステーション(東京都港区)が自治体と共同し進めてきた子育て経験を生かした一時預かりの担い手育成プログラムも参考にしたい取組みです。

一時預り事業は、短時間就労や緊急、リフレッシュなど「理由を問わない」預かり事業です。全国で7656カ所で実施(2012年度実績)されていますが、95%は保育所型で、定員は3〜5人程度、週3日以内の就労を理由とした定期利用が多くを占めています。
保育所以外で実施される「地域密着II型一時預かり事業」は全国で 176 か所、そのうちなんど 113 か所が横浜市で実施されています。

子ども・子育て支援新制度では、「保育の必要量の認定」が導入され、保護者の働き方がパートタイマーなど短時間就労であっても公的保育が利用で きることになります。
神奈川県の待機児童数(2013年4月1日現在)は、1,462人でしたが、
新制度への移行に伴い公的保育の対象が拡大されれば、待機児童数は33,000人超となるとのシミュレーションもされています。
県内では多くの自治体で、保育所型の一時預かり事業しか実施されていません。もちろん、保育所で実施する一時預かり事業で緊急やリフレッシュの要件に対応することも謳われています。しかし、保育所では、現在も待機児童対策として保育所定員の弾力化(入所定員の待機児童解消等のため、定員を超えて入所できるようにすること)が優先されており、どこまで短時間就労への対応や理由を問わない一時預かりが実施できるのか大変疑問です。

一時預かり事業は、在宅子育て家庭への支援として、また、待機児童問題の解消の一助としても大切な事業です。子ども・子育て支援新制度においては、保育所だけでなく、認定こども園、小規模保育事業や 地域子育て支援拠点などあらゆる保育・子育て支援の場で実施できるような基準を検討されるべきですし、自治体の子ども・子育て支援計画にもしっかりと位置づけてもらいたいと思います。
同時に、地域の資源を発掘・育成し、地域密着型のサービスを展開できる体制づくりも必要です。引き続き、国や自治体に対して政策提案を進めていきます。