BDFの活用事業を視察 

横浜市では、2009年から市内の小学校の使用済食用油を使用したバイオディーゼル燃料(BDF)活用事業に取組んでいます。都筑区にある作業所「晴天」を運営するNPO法人でっかいそらは、横浜市の委託を受け、廃油の回収やBDFの精製・運搬を行っています。
8日、晴天におじゃまし飯田誠理事長(でっかいそら)ならびに、横浜市環境創造局環境エネルギー課のお話をうかがいました。

 この事業は、職員の提案事業(アントレプレナーシップ事業)としてスタートしたもので化石燃料(重油)からBDFへ使用燃料の一部を転換することによるCO2の排出削減や、福祉施設の活用による障がい者の経済的自立支援、小学校への環境教育、市民への普及啓発などをめざしたものです。

現在、青葉区、港北区、都筑区を除く、市内15区の小学校の使用済食用油を回収、市内6カ所の福祉施設でBDFに精製、3カ所の水再生センターの非常用自家発電の燃料や交通局の市営バス(5台)で使用しています。
事業の開始にあたって、精製機械は市が国の補助金を活用し購入しますが、機械の設置場所や廃油の保管場所や運搬のための車両など、事業者側の準備も必要になります。また、精製作業は作業所に通う方たちだけで行うことは難しく多くのスタッフの見守りやサポートが必要になります。お金や手間のかかる事業です。
一方で、廃油の回収や、施設の見学を受け入れる事で学校や地域とつながる機会が生まれその意義は大きいとのお話も伺いました。
当初の事業目的である環境事業を通じた啓発という面では一定の成果があると思いますが、福祉作業所などの工賃アップなど、障がい者の経済的自立という観点からは課題もあります。
今回の視察には、青葉区で食事サービスや障がい児のサポートをされているNPOメンバーも参加しました。今後も、さまざまな取組みに学びながら青葉モデルを模索していきたいと思います。