若者就労支援への取組み~一般質問報告~

若者の就労支援の取組みとして、広域連携に向けた取組みや、若者を就労につなぐステップとしての「中間就労」の場作りに向けた、県の取り組みについて質問しました。

サポステの所管は県民局と商工労働局にまたがっており、答弁いただくにあたって、クロスファンクションの難しさをあらためて感じました。それでも、若者への支援が未来への投資であること、地域に新しい経済をつくることの価値も含め、問題意識を共有し今後につながる第一歩になったと思います。今後も、引き続き、現場の課題を制度につなぐ活動に力を注ぎたいと思います。以下、本日の質問のご報告です。

今年4月より、若者の職業的自立に向けた支援の取組を目的として、NPOとの協働による、「県西部地域若者サポートステーション」事業がスタートしました。小田原市に開設された「県西部地域若者サポートステーション」は、県内21市町村と連携しており、21市町村で構成される連携会議も設置されています。

 県西部地域若者サポートステーションの利用登録者状況をみると、登録者は県外を含め21市町村の枠組みに留まらず、また、連携市町村の中には、他のサポートステーションへアクセスする方が、明らかに利便性が高いという地域も含まれており、行政の枠組みと若者のニーズが必ずしも一致しない状況です。横浜、川崎、相模原、湘南の4カ所の若者サポートステーションにおいても、広域での自治体連携や高校との連携など、運営団体の努力が続けられています。こうした実践を生かし幅広い支援体制を構築していくことが必要です。

商工労働局は、直接支援を行っている県西部地域若者サポートステーションを除く4カ所のサポートステーションについても、事業を実施するNPO団体の推薦に関わっています。厚生労働省あてに提出された推薦同意書には、「5つのサポステの設置体制及び市町村の取組み等との連携によって、県下全域における幅広いネットワーク構築を図る」といったサポートステーション事業に係る本県構想が示されています。この構想に基づき、広域連携に向け具体的に取組んでいくべきです。知事からは、今後、事業を検証をした上で、5つのサポステと33市町村の連携会議を開催しネットワークを構築していくとの答弁がありました。

 若者サポートステーションに寄せられる相談は多岐に渡り、障害者就労支援施策につなぐ事例、生活保護課のワーカーに繋ぐ事例も増加しており、ハローワークのマッチング機能拡充だけでは解決できないことが明らかになっています。また、就労に繋がった後の 定着支援も必要となっています。企業はスキルの高い労働力を求めており、若者と企業のマッチングも容易ではなく、本格的な就労の前に、支援を受けながら何らかの形で働き、収入のある状態をつくる「中間的就労」の必要性も高まっています。その受け皿になっているのが、コミュニティビジネスの現場です。人口減少社会に向う中で産業構造や家族のあり方も変化しており、地域密着型のコミュニティビジネス、ソーシャルビジネスは今後も拡大していくものと思われます。また、段階に応じた就労の場の一つとして、自治体においても、若者向けのインターンシップの受け入れを行い、経験を積んだ若者をアルバイトとして雇用するという試みも始まっています。

NPOとの協働事業にも取組んで来た県としても、若者を支えるネットワーク、ソーシャルマーケットの価値を捉え直し、困難を抱える若者と中間就労の場を繋ぐ新たな取り組みが求められます。この点について、知事からは、就労体験は、働く上で必要な様々な経験を積む機会となり、自信や働く意欲の向上につながることから、正規雇用へのステップとして大変有効であること、また、就労に困難を抱えている若者の自立支援に向けて、就労体験を提供するNPO等の活動もあり、今後、こうした中間的就労の場を提供するNPO等が若者の就労支援において、大きな役割を担うことが期待されており、今後連携・協力のあり方を検討していくとの答弁がありました。