自立分散型の自然エネルギーを地域から生み出す活動に学ぶ

27日、神奈川ネットのエネルギープロジェクトで、リボーン・エコツーリズムネットワークのBDFバスを使ったフィールドワークを実施しました。

まず、藤野電力・牧郷 ラボを訪問し、エネルギー戦略企画室の小田嶋さんから伺いました。牧郷ラボは廃校利用事業として、旧牧郷小学校を芸術活動団体の拠点として活用するものです。3・11以降は、藤野電力の活動拠点にもなってきました。藤野電力の活動は、①お祭りやイベントへの再生可能エネルギーによる電源供給、②再生可能エネルギー発電システム組立てワークショップの開催、③藤野地域の施主さん宅へ再生可能エネルギー発電設備の施工、④市民発電所の建設と、4つの柱です。

らせん式ピコ水力発電装置・ピコピカ。発電機は自転車用ハブ・ダイナモです。

 小田嶋さんからは、「里山長屋」や「地域通貨」など、藤野町を舞台に進められて来たトランジションタウン構想についても伺いました。藤野電力の活動に注目が集まっていますが、そのベースには、3・11以前から食べ物や生活に必要なものを地域の人たちと楽しく一緒に作ったり分け合あったりするコミュニティの活動があったことが、よくわかりました。

その後、相模川発電管理事務所の構内に整備された 城山ソーラーガーデンや、県立津久井発電所も見学しました。企業庁が行う電気事業の発電規模は約10万世帯に電気を供給するだけの発電量を有しているとの事。企業庁は、他自治体と同様、長年にわたって水力発電所の電気を東京電力に随意契約で売電しています。この間、入札制度の導入を働きかけていますが、企業庁は国の電気事業法の見直しの議論の推移を見守りたいという姿勢です。

新たな道州制特区制も提唱し、様々な権限移譲や規制緩和を求めていくという神奈川県。そのスタンスから言えば、国の判断待ちの姿勢はもの足りなさを感じざるを得ません。お隣東京都は売電にあたり、入札制度を導入するとして9月議会で条例改正を予定しています。この機をとらえ、あらためて企業庁に対して制度の見直しを提案をしていきます。

津久井発電所内