保育所面積基準と保育の質

0・1歳児1人につき3.3㎡以上問題

厚生労働省は、2012年から3年間の時限措置として、待機児童問題が深刻な都市部の一部自治体で、認可保育所の面積基準の緩和を特例的に認めるとしています。県内では、横浜市、川崎市、藤沢市、茅ヶ崎市、大和市が対象となっていますが、県、横浜、川崎両市の対応が注目されています。国が示している面積基準は「0・1歳児1人につき3.3㎡以上」ですが、神奈川県内市町村の面積基準は、「0・1歳児1人につき2.475㎡以上」。実態として、神奈川県内の保育所面積はすでに緩和済みです。「待機児童対策は面積基準の問題とは思わない」など、対策の効果そのものを疑問視する自治体も多いことも伝えられていますが、神奈川の現状を見ても効果は「?」ということになりそうです。
昨年10月常任委員会でも面積基準について質疑を行いましたが、県としては、なぜ国の基準を「1人につき2.475㎡以上」と読み替えたのかその経緯は解らないし、現況を確認したいとしていました。しかし、その後担当課も黙り。どうも、厚生労働省は、面積基準に抵触していると判断したようです。昨年10月28日付の通知で、抵触している場合の対処として、1)当該保育所の定員を調整する、2)当該保育所内の部屋割りを調整する方法を示し速やかな対応を求めるとしていますが、対策は全て現場、事業者に丸投げということなのでしょうか。
面積基準は保育の質の担保のために定められているものと考えます。ならば、まずはハードだけではなくソフトで対策する、手厚い人員配置のための予算を配分し保育の質を担保することも考えるべきです。認可した側の責任もあるはずです。厚生労働省とはどのようなやりとりをしてきたのでしょうか。現在、県内保育所への調査が行われているようですが、調査の目的、仮説、着地点が解りません。
神奈川県は、2012年度予算編成において900億円の税源不足が見込まれるとし、民間保育所運営補助金についても保育士の加配予算や障害児加算を削減する方向を示しています。予算を十分拡充しないまま、保育所定員を大幅に増やせば、当然、広く薄い保育サービスになっていきます。安心子ども基金は保育所整備に限らず、保育の質の向上のために活用できるのですから、基金の活用も検討すべきです。
お題目のように言われてきた保育の質の向上。真価が問われます。