青葉みんなの家労働組合が勝ち取ったもの

 10年前、青葉区でともに福祉事業を立ち上げた仲間が2年間にわたって戦ってきた訴訟の和解協議が成立しました。介護現場での労働環境の劣悪さなどが問題になっているなか、現場の労働者が自ら声を上げ,ほぼ勝利的和解を勝ち取った意義のある解決であったと思います。

 本訴訟は、被告NPO法人MOMOが、法人の運営するグループホームで働いているワーカに対し,全く理由のない懲戒処分を通告したり,「雇用契約終了通知書」を送付し就労拒否を行うといった違法な措置を行ったことに対し、懲戒処分等の無効確認,地位確認,未払賃金請求,そして,被告NPO法人MOMOおよび代表者である又木京子被告に対し慰謝料を求めたものです。
 今回、証人尋問の実施前に,裁判所の和解勧告にしたがって,職場復帰を認めるだけでなく,総額790万の和解金を支払い,被告が遺憾の意を表するなど,原告の求めをほぼ認める内容で和解が成立することとなりましたが、原告側の弁護士によると、このような和解はとても異例とのことです。

 パートやアルバイトといった介護に携わる女性たちが中心であった青葉みんなの家労働組合が、このような訴訟を提起できたのは、訴訟費用を貸与する神奈川労働相談ネットワークの非正規労働者等支援基金という事業があったからでもあります。

 徹底的な組合差別の実態、法人の拠点である厚木市に研修という名の下遠距離通勤する仲間の姿を見て、福祉事業者としての法人のコンプライアンスを疑問視する声があがり、この2年半、支援者も広がりました。訴訟の入口では、青葉みんなの家労働組合の結成、神奈川県の労働相談や労働委員会のあっせんと、県の行政機関のあり方も学ぶ機会にもなりました。
 今後は、一層、地域福祉の原点にこだわり、また、働くことを正面から捉え、地域の皆さんと青葉のまちづくりに努力していきます。