子どもの命に向き合う仕事 青葉区の事例から

3月1日に「育児支援 引き継ぎ放置/青葉区、浜松市から母子転入で」との新聞報道があり、本日開催された子ども青少年局の予算審査でも各委員が取り上げました。子ども青少年局長は、「申し訳ない対応だった、反省しなくてはならない」と答弁しています。しかし、この間「何もお答えできない」としてきた青葉区がどのように認識しているのか、全く解りません。

記事には、「昨年12月、浜松市から横浜市青葉区に転入した母子について、浜松市側から育児支援の依頼があったにもかかわらず、青葉区が1か月以上、母子と連絡をとらず、放置していた〜青葉区の担当者は1月19日になって初めて、母親に電話し、母親から「(男児は)死亡した」と知らされたという。」とあります。12月20日には、母親は、青葉区の福祉保健センターに来所しており、「親子関係が気になる」といった情報も残されていますが、この情報もスルーされました。

今回の一件については、報道にあるように、区が引き継ぎを受けたケースへの対応が遅れたことも問題ですが、病死と診断されたからとの理由で、引き継ぎ業務や区局の情報共有のあり方など、本来検証されるべきことが全く問題とされなかったことも問題です。

今日の審査で、青葉区は、1月20日には、男児の死亡について児童相談所に連絡を入れ、児童相談所からこども青少年局に報告があり、それを受け、局から青葉区に連絡し資料提供を受けたという経過が確認されました。
しかし、子ども青少年局は、2月17日の時点で、青葉区から提供された資料の存在を否定するとともに、経過も全く知らないという虚偽の説明をし事実を隠蔽していました。また、青葉区から提出された経過報告資料は、関係機関である警察への連絡という事実までも「個人情報」として公にしていません。
 この事例は、児童虐待対策プロジェクトが進ちょくしている最中、養育に不安のある家庭への早期支援のあり方を問われたケースであり、区や局の姿勢が問われます。

質疑の中で、局長は、区から警察に対して、養育支援が必要な家庭であったといった情報が提供されていると答弁していますが、これは、警察の見解とは明らかに異なるものです。非常に重要なポイントであり、今後の検証の中で、事実を明らかにしていただきたいと思っています。

区においては、まずは、養育支援マニュアルにそった支援がおこなわれてきたのか、保健師とケースワーカーの連携は図られているのか、あるいは、虐待の判断の責任者である福祉保健センター長が職責を果たせる体制となっているのか、組織のあり方も含めた検証が必要です。
さらには、医療機関に設置されている虐待防止委員会との連携のあり方についても検証されるべきです。