厳しい社会状況を受け、横浜市でも就学援助を受ける世帯が増加しています。06年は認定者31,014人、支給総額1,080,217,000円、援助率(小中学校在籍者数/認定者数)11,80%でしたが、09年度は32,500人の認定者(援助率11.98%)の見込を上回り、認定者は12月末時点ですでに33,000人を超えました。2010年度予算では、前年度比で約3千人増の35,600人の認定者を見込み、18億円(対前年約5億2千万円増)が計上されています。今年度は、国の要綱変更にともない就学援助制度にPTA費、クラブ活動費、生徒会費などが追加(国費)されることになっているためです。これにより、援助率は13.78%にアップするとしていますが、全国の援助率はすでに07年度には13,7%に達しています。横浜市では援助を受けられる世帯収入額=生活保護基準とし、国庫補助対象に限定しており、生活保護まで至らない困窮世帯を支援する制度となっていません。
市内でも区によって援助率が異なっています。08年度実績でみると、青葉区の援助率は6,3%と18区中最も低く、援助率20,7%の瀬谷区とは大きな差があります。横浜市の場合、18区を押し並べた数字で実態を捉えることは難しいと思います。受給資格があるのに情報が届かず公的支援につながらない家庭もあると思われます。
高校無償化も定時制高校や通信制高校、フリースクールに通う生徒や授業料免除を受けている生徒にはメリットはありません。また、奨学金も収入の一部とみなされ生活保護費が減額されるなどの理由で活用が進みません。日本学生支援機構によると08年度の奨学金の滞納者はこの4年間で6万人も増加し31万人となり、滞納金の総額は723億円となるそう。
必要な人に支援が届いているのでしょうか。子どもたちに痛みを甘受せよという社会に未来はありません。
教育への投資が活力ある社会の創出につながるのだと思います。