一時保育をテーマに県と円卓会議を開催

多様で柔軟な保育サービスが必要

NET子育て支援政策プロジェクトメンバーを始め、県内各地で保育を実践するNPOも参加し、県の子ども家庭課との円卓会議を開催しました。
神奈川県内の待機児童数は、昨年10月に6545人となり、横浜・川崎両政令市を除いた市町村の待機児童数も2641人にのぼる見込みです。当然、子どもに関する施策は、待機児童解消にシフトしています。29日に閣議決定された国の「子ども・子育てビジョン」でも、少子化対策としてワークライフバランスの推進をめざし、3歳未満児向けの定員を年5万人程度増やすという方向性が示されています。しかし、仕事と生活の調和を図るためには、フルタイマーのための保育所整備だけでなく、多様で柔軟な保育形態を用意する事こそが必要です。
県内市町村が行なった調査(*1)では、神奈川の特徴として、父親の長時間労働と遅い帰宅時間、また、母親は子どもが大きくなったらパートアルバイトなどで働きたいと考えている人が多いという状況が明らかになっています。また、プロジェクトが独自に行なった保育所を利用する保護者へのアンケートでも、母親の半数は非正規雇用で、認可保育所の利用要件の週4日の要件を何とかクリアしている、一時保育があるのなら3日以内の就労で良いという声を捉えています。仕事と子育てのバランスを支える仕組みとしても、レスパイト支援のためにも一時保育を豊かにすることが求められています。
県内の認可保育所の一時保育の実施状況は、急増する待機児童への対応や昨年の制度の見直しの影響で減少しており、認可保育所に限定することなく新たな受け皿を用意することが必要です。国の制度見直しで、認可保育所以外で行なう一時預かり事業も交付金対象事業となるなど、政策転換のチャンスを迎えています。とかく現場が遠くなりがちな県にはさらなる実態把握に努めることも提案しました。また、市町村からもアクションをすすめていきます。

*1:次世代育成支援対策推進法に基づく神奈川県の地域行動計画(後期計画)の策定にあたって実施されたニーズ調査