出発点は子どもミニデイサービス

今書き留めておきたいこと

昨年、常任委員会視察で訪れたある街で、子育て広場を運営するNPOメンバーが、横浜市で子育て支援を行なうNPOのリーダーからのメッセージとして「待機児童問題も大事でしょうが、子育て支援も忘れないでください」と話されました。私は正直ちょっとがっかりしました。保育と子育て支援で予算を取り合ってどうする?そう思いませんか?親が働いている・いない、ゼロか100かというというモノサシは、思い切って捨てましょう。

私の子育て支援政策の出発点は小規模認可外保育施設(ミニデイサービス)です。とにかく毎日が「一時保育」という現場。ニーズも高く、コストのかかるサービスを提供しているのに公的制度は活用できない。利用者負担も大きい。多額の税金が投入される認可保育園はなぜ一時保育に取り組まないのだろう?保育ママだって補助金があるのに、なぜミニデイサービスはその制度を活用できないんだろう?など疑問も持ちながら、地域の相談窓口となりサービスをコーディネートしている人たちの姿を見てきました。子育て支援拠点やひろばの機能も持ちながら小さな拠点でいろんな親子が育ち合ってきました。

きのうは、ミニデイサービスから出発した3つのNPOのメンバーに近況を聞く機会がありました。彼女たちは、今年から民間の認可外保育施設が行う事業に対して、横浜市が補助金を交付する「乳幼児一時預かり事業」にも取り組んでいます。この事業は、待機児童解消効果も期待されていますが、どの施設も利用者が急増しており、短期就労やパート・アルバイトなど非正規就労のための利用が大半を占めているそうです。そんな現状に、子育てに悩む親に「いつでもどうぞ」という一時保育を提供してきた現場には戸惑いもありました。一時保育を豊かにすることが、子どもに向き合える環境を整備する事に繋がり、結果的に待機児童の解消策にも繋がると思います。でも、待機児童解消はあくまでもひとつの結果。

林市長が進める「保育所待機児童解消プロジェクト」の検討を受け、一時保育の推進や保育ママ制度の見直し(事業者に管理・運営を委託)も行なわれると思います。これは、私が提案してきたことでもありますが、仲間との意見交換は、出発は子どもがいる暮らしが楽しいと思える社会をめざすことだったことをあらためて思い出させてくれました。