給食費は横浜市の私債権か?

市の債権のうち私法上の原因に基づいて発生する債権、これを私債権と言います。例えば、母子寡婦福祉金貸付金、市営住宅使用料、施設使用料などがこれにあたります。
私債権は、横浜市が強制的に徴収したり、放棄することができないことになっています。今日の本会議で、その私債権の管理を条例に定め、負担能力が不十分と思われる案件については、議会の議決を経ずとも、債権放棄を可能とする「横浜市の私債権の管理に関する条例」が提案されました。条例制定にあたって、私債権とされている給食費について林市長に伺いました。

08年度決算における私債権の収納未済額は、約50事業 総額32億円とのことですが、私債権の中には、学校給食費3146万1000円が含まれています。しかし、学校給食費については、公金としての扱いがなく公費で立てかえているわけでもなく、横浜市の収入ではありません。実態として給食費を支払っている保護者が未納者の給食費をおしなべて負担しています。つまり、給食費を正当に納入している保護者に対する債務不履行状態です。

債権者は未納分の給食費を補填している保護者たちであり、横浜市ではない、つまり、市長は債権者でなないと考えます。未納者に対し督促も行なっていますが、「市長から請求される法的根拠がない」と訴訟を提起される可能性もあります。私債権の管理に関する条例制定以前に、学校給食費に関する会計の整理を行なう、あるいは、条例を定めるなど、債権債務の確定に関する「仕組み」を検討すべきです。
実は、給食費の問題については、2年前にも同様の質問をしたのですが、そのしくみは全く変わっていません。
林市長からは、「給食費の会計については課題がある」とし、より適切に対応したいとの答弁がありました。条例制定を機に、2年越しの課題に決着をつけたいです。