待機児の状況を見ると、年齢別では1歳児が639人、次いで2歳児292人.1歳児143人と、待機児の約9割を0〜2歳児が占めています。また、短時間勤務している保護者や休職中の保護者の児童が6割となっています。
2月の1次選考では、保育園に入所できない保留児が3988人に上っていましたが、最終的には円滑化(認可上の定員を超えて保育を実施)による定員増(1505人)や横浜保育室への入所(935人)、家庭福祉員による保育(22人)などによって対応が図られています。その他、認可外保育施設を選択せざるを得ないケースもありますが、その実態は把握されていません。
横浜市では、03年に子育て事業本部が設置されて以降、可能な限りの市有地を探し、また、整備促進事業で民間の参入を促し認可保育所を作り続けてきました。ハード整備の限界が近づいている中、今後は横浜保育室、認可外保育所などあらゆる保育資源を生かし、政策転換を図る必要があります。
社会保障審議会少子化対策特別部会でも、利用保障の弱さ、保育の必要性の判断基準のあり方などが保育制度の課題としてあげられています。現行制度においては、市町村に「保育の実施義務」を課していますが、「保育の実施義務」には「例外」も有り、保育所が足りなければ、「その他適切な保護」(認可外のあっせん)でも良いとされています。
こども青少年局は、急ぎ保育ニーズの分析行なうとしていますが、認可保育所の待機者のうちやむなく認可以外保育施設を利用せざるを得ない利用者への緊急的な助成制度として、例えば、認可外保育施設へ支払った保育料の一部を助成するといった制度も検討すべきではないでしょうか。県内では藤沢市が同様の制度により待機児90人分870万円の補助金(09年度)を予算化しています。こういった事例も検証し多様な保育施策を提案していきたいと思います。