「介護報酬」改定してみたものの…

2000年にスタートした介護保険制度は、3年ごとの報酬見直しと5年ごとの制度の見直しが実施されることになっており、今年は3度目の報酬改定が行なわれています。03年、06年と過去2回の改定がマイナス改定であったのに対し、今回は介護報酬の3%引上げ、2万円の報酬アップなどがクローズアップされて来ました。しかし、その効果については疑問視されています。さらに、今回の介護報酬改定のコアになっているのは「加算」システムです。資格や経験に対する加算が長期勤続のインセンティブとなるということのようですが、実際は難しいと思います。

この制度について、区内のグループホームでもお話を伺ったところ、1)介護福祉士が50%以上配置されている場合1日で12単位加算2)勤続年数3年以上の職員を30%以上配置した場合1人当り1日6単位加算となりましたが、介護報酬の1単位あたりの単価が10.6から10,45に見直されており、結果として報酬が下がる場合もあるとのこと。また、今回の改定により施設で亡くなった場合の「看取り加算」が創設されましたが、「死亡日以前の30日を上限として」人権費を補填するとしています。これについては「ぎりぎりまでケアしていても病院に入院されそこで亡くなった場合は加算の対象とならない」、「30日を上限とする根拠が不明」といった意見がありました。

4月から予定されていた要介護認定の方法の見直しについては、「実態に見合う判定ができない」との指摘を受け、見直しの検証を行うとし当面は経過措置が取られます。具体的には、「更新前の要介護度異なる結果になった場合に、希望により、更新前の要介護度のままに据え置く」というものです。しかし、これでは、介護認定審査会を持って審査判定を行なっている意味がありません。多額のコストをかけて開発した判定ソフトはどうするのでしょうか。
障害者自立支援法、後期高齢者医療制度とスタートと同時に見直しを迫られ通知や政令によって行なわれる措置はムダなコストを生み、市民や自治体は振り回され続けています。

基本報酬部分の引き上げのないまま各種の加算方式の評価を導入し、一方で、「認定基準の改定」により給付抑制をはかり財源を確保するというやり方で、介護人材の確保が進むとは到底思えません。介護財政の基盤の強化にむけて、社会保障費の総額を増やす議論が必要です。

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