第三セクター「かながわ廃棄物処理事業団」の今後 その1

昨年度実施された県の包括外部監査で、実質的に経営破たん状態であるとの指摘を受け、かながわ廃棄物処理事業団(KHJ/県、横浜市、川崎市が出資する第三セクター)は、1月末には、経営改善計画をまとめ、横浜市もこれを承認しています。3日の予算委員会では、KHJの今後について取り上げ、経営改善に向けたポイントとなる搬入量の確保や、かながわクリーンセンターが行なって来た事業成果について局長の見解を求めました。

昨年秋以降の厳しい経済状況のもと、民間産廃処理施設も大幅に搬入量が落ち込んでいるようです。KHJも今年度の搬入量目標の35300トンに対し、1月末までの実績は27、230トンに留まるなど厳しい状況が続いています。
KHJは、2009年度以降の搬入量について、38,000トンで推移すると見込んでいますが、この38000tという数字は、昨年8月にとりまとめられた当初の改善計画案にも示されており、秋以降の社会状況の変化による影響などが加味された数字ではなく、計画の実効性が問われるところです。
包括外部監査では、焼却炉の安定稼働が受入処理量増加への重要課題であると指摘されていますが、焼却炉の月平均運転時間も、07年度160時間に対し今年度は106時間と大きく落ち込んでいます。

局長は、搬入量も確保し、焼却炉も安定的に稼働する見込みとの見解のようですが、経営改善計画では、県、横浜、川崎の三自治体が事業運営に必要な範囲で公共負担金を継続的に負担し事業団を支援することも盛り込まれています。この負担金が何に基づいて支出されるのか明文化されることなく、2020年まで三自治体がそれぞれ1億3800万円づつ負担するという計画ですが、負担目的や負担割合に関する基準が明確でない限りその支出が適正であるかどうかも判断できません。

県内の産業廃棄物の適正処理、民間処理施設の設置促進し、県内処理の推進に寄与する事を目的に設立された事業団。その事業成果もきちんと検証されるべきです。(レポート2に続く)