そこで、これまで公表されていなかった横浜市や県内一般市村の10月1日現在の待機児数も調べてみたところ以下の結果でした。(横浜市は川崎市のような内訳は公表していないので詳細不明)
4月1日時点待機児数 10月1日時点待機児数
横浜市 707人 1、614人
県内一般市町村合計 476人 1,300人
とにかく「待機児ゼロを目指せ!」と国をあげて必死に取り組んでもたものの、待機児は解消されません。過去5年の数字をみても、13万人の定員増(全国)に対し、待機児童は7千人しか減少しておらず、待機児として把握されていない潜在的なニーズの大きさが伺えます。社会保障審議会(厚労相の諮問機関)少子化対策特別部会の試算では、待機児童の解消には1.5兆〜2.4兆円が必要とされるとしています。しかし、常に変化し続ける待機児数の一瞬を捉えて、中期的な計画を立て、施策の評価を続けていくことに意味があるのでしょうか。
一方、生き方・働き方が多様化するなか、子育て支援施策を中心に自治体がさまざまなモデル事業に取り組む事例も見られます。社会保障審議会でも「サービス保障強化」を軸に議論が進められてきましたが、制度の転換期において、子育て支援施策等の検証を行なうとともに、一時保育(一時預かり)制度や保育要件の見直しなど、子育てを社会全体で支える施策こそが必要です。