広域連合議会初!の請願審査 広域連合議会と直接選挙

25日、神奈川県後期高齢者医療広域連合議会が開催され、昨年度の一般会計決算の認定などの議案に続き、広域連合議会議員の選出にあたって、直接選挙を可能とする諸条件の整備を求める請願審査が行なわれました。広域連合は、地方分権の時代に、一部事務組合の制度的な限界も踏まえ、より柔軟で民主的な組織として創設されたもので、法律では、広域連合議会議員の選出にあたって、広域連合内の市民による直接選挙も可能としています。私は、この広域連合議会に初めて提出された請願の紹介議員となりましたが、付託された委員会は傍聴者の一人。審査を見守りましたが、「請願者からは組織のありようについては提案されていない、直接選挙にかかるコストは約25億円と試算される、さらには、一票の格差が大きい」などなど、直接選挙の実施は現実的でないといったやりとりがあり、請願は不採択となりました。
広域連合は、地方自治法では自治体が主体的に組織すべきものとされていますが、後期高齢者医療制度においては、(高齢者の医療の確保に関する法律の第四十八条の規定により)自治体の意思とは関係なく、都道府県単位で、すべての市町村が加入する広域連合の設置を義務付けており、ここに、そもそもの矛盾があります。
また、後期高齢者医療制度における広域連合は、保険料や税の徴収も行なわなず、 構成団体の負担金と人的な拠出に依存しており、果たして、政府として、住民との関係が正統に結ばれているのか?と言えば、多いに疑問です。
しかし、だからこそ、給付と負担の両面で社会保障の当事者である市民が、十分な情報を持って検証しあるべき制度を自ら決定していくことが必要で、そのために直接的な政治参加を保障するしくみが求められます。討論でも、選挙のコストも含め市民に課題を提示し議論に付し、市民の参加を得て制度をコントロールし機能させる必要性などを述べました。また、指摘のあった、神奈川県における一票の格差によって、直接選挙が展望できないとしたら、そもそも、強制的に広域連合を設立させたこと、組織を選べない事、それは法律上の問題に帰結するという問題提起もしました。
この請願における、市民の皆さんからの提案は、議会へ送られたエールでもあり、残念な結果でありました。