介護の社会化をめざしスタートした介護保険制度ですが、サービスの選択の自由を保障し、利用者とともに家族を支援する制度の理念は活かされているのか、あらためて検証すべき時に来ています。
介護はおもに女性の家庭内アンペイドワーク「ながら仕事」で支えられていました。訪問介護の現場でも、その知恵や経験をフルに活用しサービスを展開したいところですが、そもそも生活援助は身体介護に比べ評価は低いのです。また、1回のサービスの「上限は90分」という時間制限があったり、90分を超えて独自のサービスと組み合わせたくても再訪問しなければならない、散歩はだめなどという余り意味の無い規制があります。
予防制度が始まってからは、要支援と要介護と認定が変わる度に手続きが必要となり、ケママネも交代しなければなりません。定額制も導入され、利用者に割高な利用料金が発生したり、事業所の不利益が生じたりと(5週目のサービスとなた場合)制度の矛盾が生じています。
配食サービスも、在宅生活を支える重要なサービスです。私も入居施設の運営に関わっていますが、「買い物に行けなくて…」とか、「火の始末が心配」でという理由で在宅をあきらめる事例が多くあります。安否確認の重要性やコーディネート機能はきちんと評価されるべきですし、(315円/1食当りの補助でこれらすべてを担っている)何よりも、介護予防としての「食」を位置付けることが求められます。
〜現場からは〜
介護報酬の見直しと人材確保に向けて財源のパイを広げる
特定高齢者、要支援、要介護といった細分化した区分を見直す
その上で地域包括支援センターは相談・コーディネート機能を高める
マイケプランの作成支援をすすめる
介護予防は自治体独自メニューで行う
などなど、多くの提案が有りましたが、突き詰めれば、国は、自治体の自主性に任せ、これ以上新たな制度改定など行わないほうがむしろ上手くいくような気がします。
2005年の制度改訂は、確実にサービスの質・量ともに影響を及ぼしつつあります。
保険者である横浜市に対して、地域福祉の充実に向けて、福祉現場から問題提起や制度提案を進める大切さを実感するフォーラムとなりました。