港北水再生センター(下水処理場)をたずね、「合流式下水道」の改善事業を調査してきました。横浜市の下水道整備率は99.7%ですが、そのうち生活排水と雨水を一本の管でいっしょに集める「合流式下水道」が市域の1/4を占めています。(その他は分流式。分流式は生活排水と雨水をそれぞれ別の管で集める方法です。)合流式下水道は、管路が一つなので効率的に整備が進められるというメリットがあります。しかし、大雨が降って、再生センターの処理能力を超えると、汚水もまじったままの水が未処理のまま川や海に放流されてしまいます。こういった合流式下水道の問題ついて、国土交通省は、水質汚濁上及び公衆衛生上において極めて問題であるとし、2004年度より原則10年間(大都市は20年間)で合流式下水道の「改善」を指示し、下水道法施行例の改正で義務付けました。
港北水再生センターでは、「雨水滞水池」を整備し降り始めの雨を一時的にためておき、雨が降り止んでから再生し川や海に返す「合流改善」を行っています。横浜市全域の合流改善率は78%で目標年度までに改善を完了するとしていますが、具体的な改善計画の策定に向けて提案を進めていきたいと思います。
現在、年一回の水質調査が実施されていますが、基準値を超えるBODが検出されたポンプ場もありますし、大雨直後の水質調査等も実施し、改善効果や課題について、更なる検証を行うことも必要です。
こぼれ話…
分流式に合流式…ちょっと判りにくいのですが、横浜市の説明がさらに判りにくかったのです。
港北水再生センターでは、分流式の汚水と雨水のうち汚水と、合流式の汚水・雨水の混じったものを処理しています。つまり汚水+(汚水+雨水)=かなり濃縮された汚水ですね。
ところが、雨水滞水池に入る水は「雨水」と表記されています。説明でも「雨水と汚水」と表現されます。
合流なんだから、単独の「雨水」は存在しないし、雨が降らないときは完全「汚水」なのですが。なんだか分かりにくいですよね。