「かながわ憲法フォーラム」に参加しました。
フォーラムで、パネラー熊岡路矢さん(JVC前代表理事)は、国際協力の現場で、憲法前文の「ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利」を実践されている事を話されましたが、「憲法を護るということだけに依存せず、実践への参加が必要」という言葉が印象に残りました。また、国家単位の安全保障ではなく難民、貧困者など個人の単位での安全・安心を確保していく必要性を話され、イラク戦争は必要のなかった戦争と総括されました。先月、自衛隊のイラク派遣を違憲とする名古屋高裁の判断も示されたばかりですが、熊岡さんは、自衛隊の派遣は、結果としてNGO人道支援の障害となったと総括されました。国際協力の現場で、平和主義、「ソフト・パワー」の国といった評価も得てきた日本にとってもマイナスであったと思います。
もうひとりのパネラー河上暁弘さん(広島市立大学平和研究所)も、解釈論だけではなく、武力紛争の根本にある飢餓や貧困、生態系破壊などの構造的暴力に対して、国際協力のもと平和的な生存権を実行していく積極的平和主義を提唱されました。
国民投票法の制定を目前にした昨年の憲法記念日を思うと、7月の参議院選挙を契機に情勢は一転し憲法議論はすっかり沈静化しています。安倍政権下で強行採決が繰り返され、憲法を巡る議論も改憲か護憲かといった議論に集約されがちでしたが、あらためてどのような社会を目指すのかという入口の議論も活発化していることを実感しました。