地域での資源循環の広がりをつくる

みんなのいえで配食ワーカーズを立ち上げて3年。安全な食の提供とともに食を通しての地域循環を目指し、区内の生産者の方たちとのネットワークも広がってきました。一方、食物残さについては、廃食油のリサイクルがひとつの課題となっています。当初は、自前でプリン石けんをつくっていたのですが、苛性ソーダーを使うリスクもあり、昨年末から、当面の対策として廃食油のバイオデーィゼル燃料化を行っている㈱ユーズに処理をお願いし、送料自己負担で廃食油を10回送付すると、森1坪と交換できるというシステムに参加しています。しかし、本来は、地域内でのリサイクルを目指したいし、自分のまちにバイオデーィゼルを使った福祉車両が走る!という夢に向かって試行錯誤始を始めたいと思います。

先日は、川崎で長年、廃食油のリサイクルを行ってきたNPO法人川崎市民石けんプラントにうかがって薄木かよ子理事長にお話を伺ってきました。石けんプラントでは、市内の小学校の廃食油を回収し「きなりっこ」という石けんをつくっています。(きなりっこは現在85校で使用されています。)18年の取り組みのなかで、環境意識の高まりとともに、厄介者扱いだった廃食油は有価物となり、石けんプラントでも、バイオデーィゼル燃料化への取り組みも始められています。排水処理過程でグリセリン処理を必要としないSDF燃料に変換し、この燃料を使って川崎市の清掃車の走行実験を行うそうです。

バイオディーゼル燃料の普及にあたっては、税制の問題もあるようです。品質を安定化させるために軽油と混合し使用されるケースが多いのですが、その場合には軽油引取税(地方税)が32円加算される仕組みになっており、価格のメリットが生かせません。また、リース車への使用にも制限があり、公用車への使用についても課題があります。

京都市のように先行してバイオディーゼルを導入してきた自治体のLCA評価を始め、多くの事例・データを基に、環境を軸として優先的な政策・制度を示していく必要があります。