青葉区藤が丘小学校で集団食中毒が発生した件について、校長が区の調査を一時拒否したことなど、学校側の判断や対応に問題があったと報じられています。11月30日、179人が嘔吐(おうと)、発熱等の症状を訴えて欠席していました。この事態は以下のように各所に報告されたことが確認されています。
8時35分 学校で多数の欠席者の存在を把握
10時55分 学校から教育委員会健康教育課に報告
12時20分ころ 教育委員会より市の健康安全課に報告あり
12時25分 健康安全課より青葉区福祉保健センターへ連絡が入る
学校からの教育委員会への第一報は、は30日10:55頃。そして、教育委員会から健康安全部(健康福祉局)へ連絡を入れたのは、その一時間以上後。同時刻(12時20分)には給食が提供されています。被害を拡げてはいけないという意識があれば中止の判断もあったでしょう。
食中毒のウィルスは28日の給食から検出されたとされていますが、30日夕方に実施された調査の結果、給食施設の冷蔵庫や流し台からもウィルスが検出され、また、30日の給食業務に関わった調理員の一人も発症していることが判明しています。翌翌日(12/2)は週末で学校は休み。欠席児童数という形で、発症児童数のカウントは行っていないとのことで、29日、30日の給食によって被害が拡大されたのかどうかは検証できませんでした。
いずれにしても、多数の欠席や体調の悪い児童を前に、現場は混乱していたと想像されます。唯一、連絡を受けた教育委員会が、マニュアルに則り、関係各所に対応を行うよう学校へ指導し、緊急時においてそれが困難であれば、学校に代わり対応することも必要だったと思います。教育委員会のリスク管理やマネジメント力が発揮されれば、福祉保健センターや健康安全部の職員の専門性もより生かされるはずです。
教育委員会は、今回の食中毒事故を詳しく検証し、緊急時の対応や学校給食の衛生管理マニュアルを見直し、学校を支援していくとしています。しかし、先日の常任委員会では、このような課題と思われる点について報告されませんでした。
子どもの健康を願う気持ち、そのために事実関係の把握や情報公開を含めて最大限の努力をする意志がきちんと伝わることが大事だと思います。信頼回復と再発防止に向けての教育委員会の取り組みに期待します。