議会改革をメインテーマに開催された「市民と議員の条例づくり交流会」の2日目、「自治体財政と議会」を論ずる分科会に参加しました。先の通常国会での「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」(財政健全化法)の成立を受け、自治体議会の責任と果たすべき役割もこれまで以上に問われています。自治体は毎年度、4つの「財政健全化比率」を公表することが義務づけられ、4つの指標のうち一つでも基準を超えてしまったら、健全化計画を作らなければならず、その計画に議会の議決が必要となります。
7月に発表された横浜市の2006年度決算概要によると、実質公債費比率は26%台になる見込みです。地下鉄や下水道などの公営企業債の元利償還などの影響があると思われますが、横浜市としては、政令市も一般市町村も含め、国が一律に算出するしくみに問題があり、自治体それぞれの多様な事務・事業や財源・資産の実態が反映されていないことが問題であるとしています。
財政健全化法では、連結実質赤字比率の連結のルール、将来負担比率の負担範囲なども政令で規定される予定ですが、国の指導のもとに作られる基準に対し、自治体独自の判断基準も検討すべきではないでしょうか。
横浜市は、実質公債費比率については、政令市共同で、国に対し、指標の算定式や判断基準の見直しを提案していますが、新たな法制度がスタートするこの機をとらえ、補助金や融資、交付金の操作などによって政策誘導してきた国の責任も含めて、自治体の側から指標のあり方を提案していくことは必要です。
実質公債費比率25%超えという衝撃的な数字が一人歩きしないように、また、一律に他の市町村との数字の比較をすることが市民に誤解を与えないよう、統計数字だけでは読み取れない自治体財政状況の公開と説明責任を果たす場を作ることも提案していきます。
4つの指標
①実質赤字比率
②連結実質赤字比率
③実質公債費比率
④将来負担比率