一連の閣僚の事務所費問題は、市民の政治不信につながり、参議院選挙にも大きな影響を与えました。選挙での惨敗を受け、自民党からは、政治資金規制法の再改正案が浮上しています。新たな改正案には、「全ての政治団体を対象」にすることや、「1円以上から領収書を公開」を盛り込むことが検討されており、民主党からも同様の改正案が提出されることが報道されています。しかし、これらは、政治とお金をめぐる抜本的な改革には程遠い議論といわざるを得ません。この間の政治とお金をめぐる問題の発端ともなった故松岡農水相の事件も、その根底には「政官業」の癒着がありました。それは、まさしく、企業・団体献金が生み出す構造的な問題です。1995年、企業・団体献の廃止を前提に、国民一人当たり年間250円、総額300億円を超える税金を投入する政党助成金制度がつくられました。しかし、禁止されたのは政治家個人への献金のみで、政党には、税金と企業・団体献金の両方が流れ続けています。
企業・団体献金を温存したままの法改正により、再び「ザル法」を成立させることは、政治的パフォーマンスでしかありません。市民の政治への信頼を取り戻す真の政治改革を進めるために、あらためて、企業・団体献金の廃止に向けて運動を進めます。