ICタグとマンパワー

こどもの日「児童見守るICタグ」という記事を発見。今秋以降、南区の小学校で運用が始まるそうです。ICタグといえば、一昨年2005年春に、青葉区の小学校でも実験が行われています。当時、保護者の方からご意見をうかがいましたが、賛否両論でした。自己負担で行う実験でもあり、参加された家庭は1/3弱。エリアを外れると情報が途切れる、誤報が多いといった意見がありました。実際、実験を終えて寄せられた通報53件全てが誤報、「駆け付け支援」を申し出た住民の38%が「手が離せない」「外出中」といった理由で現場に駆け付けることができなかったとの報告が出されています。
参加をされていない保護者の方からは、「ICタグがあるのなら見守りのパトロールも簡素化すべきという声もあがっている。それでは本末転倒だし、全員が参加することが前提のシステムになってしまう。」という意見がありました。
学校や教育委員会の対応も確認してみました。一民間企業の実験ではありますが、学校を使って説明会を行い、ICタグの電波を受信するレシーバーの設置工事も校門や校内で行われています。それについて、教育委員会は一切の関わりを否定し、学校判断であったと主張。学校側は前任の校長の判断であってコメントできないというものでした。
以前、学校に設置された防犯カメラの映像が、平均で1日15分ほどしかチェックされていないことが報道されていました。導入当初から、モニターを監視できる体制ではないという課題があったにもかかわらず、一気に全市で導入してきた経過が明かになりました。事業効果は検証されるべきですし、子どもの安全をめぐる取り組みが、新たなビジネスのターゲットになっていないかと言うこともよくよく考えたい。
あらためてマンパワーに期待しようという声があがって当然だと思います。地域の学校でも、わんわんパトロールに学援隊などという取り組みも始まったところです。安心・快適なまちは「暮らしている人たちがつくる」という考え方も大切にしたい。