保育園民営化をめぐる訴訟で、早急な民営化が「違法」とした判決を受け、横浜市は控訴を行なっています。「十分な理由がないのに進めたことは、市の裁量の範囲を逸脱した乱用」という判決は自治体関係者の注目を集め、学識者層からも厳しい評価が下されています。 そんな情勢とは無関係に、毎年4園づつ公立保育所を民営化するという方針のもと、粛々と民営化手続きが進行しています。この問題の当事者になった対象園の保護者が問題解決に奔走し、毎年、「合意形成」のプロセスを問い、性急に民営化を行わないでほしいという趣旨の請願が提出されるということが繰り返されています。
現在開かれている9月議会には、保育所民営化に関わる請願が提出され、民営化ガイドラインの作成を求める保護者の意見が出されています。そこに引用されている、世田谷区の区立保育園民営化ガイドラインには、民営化の基本的な考え方、手法、事業者の選定などについて定めています。さらに、応募事業者の中での相対的な優位者を決定するのではなく区立保育園水準を明確にした上で、その区立基準をみたす事業者を選定することが記されています。
個々の課題から普遍性を発見し制度につなげるのは政治の責任です。市民からの提案をしっかりと受け止めたいと思います。