まず使ってみる「住民監査制度」

 24日に、横浜市に提出されている、古紙回収と戸塚定時制高校にかかわる2つの住民監査請求の請求者の意見陳述が行われました。
当日の監査委員との質疑は非常に簡単なものでしたが、そのプロセスではたくさんの発見があったそうです。
例えば、「申請書は事務局主導で書き直すことにしたが、廃棄した書類までコピーをさせて下さいと職員持ち帰った。」「当局の立ち会い人は5〜6人もいた。」「市民は、立会人の席は窓際の斜めに置かれたテーブル(椅子3つ)だと説明を受けていたが、陳述人の後ろに置かれた席に座った人たちが局側の立会人だった。公平性という観点から見直してほしい」など。
横浜市のHPには、過去4年間に行なわれた住民監査請求の結果が公表されていますが、全24件の請求のうち、勧告が出されたのは2件、残りは棄却されています。そもそも、住民監査請求は、違法・不当な行為が行なわれてから1年以内に行なわなければなりません。監査報告の中には、「通常の手続きを経て支出されており、住民が相当の注意力をもって調査すれば、いつでもこれらの行為の存在を知る事ができる」という一文もありました。本当にそうでしょうか?自治体の財務会計制度は、市民にとっては解りにくく市民が手にする情報は限られています。それを補完する情報公開制度も市民の要請には応えきれていません。昨年、議会で情報公開制度に関して質問した際には、「平均では、開示請求から開示決定まで21日、開示決定から異議申し立てまで43日、異議申し立てから諮問まで50日、諮問から答申まで約1年半でありますので、開示請求から答申までは1年10カ月程度の期間を要する」という答弁もあったほどです。 さらに、監査委員の多くは議員、行政職員OBや関係者、監査も事務局主導型であるなど、内部監査の限界を指摘する声も多くあります。しかし、制度の不備があるとしても、社会への問題堤起を行なうとともに、制度そのものが、市民にとって使いやすい民主主儀のツールとなるよう、まずは、制度を活用していくと言う考え方もあると思います。その必要性を市民が経験・発見することもまた必要です。